ロビンソン本を読む

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小鳥たち

2019-08-19 18:28:35 | 日記
アナイス・ニン『小鳥たち』




 カバーは半透明の薄い紙で、真ん中にキラキラ光る植物(?)の絵。

 蕾のような、開いた花のような、細い葉のような不思議な形をしている。

 カバーを外すと、表紙の同じ場所に、より繊細な線で同じ形の絵が現れる。

 柔らかい産毛のような。

 これは鳥の毛なのか。

 タイトルの『小鳥たち』から、そう考えてみる。

 ページのあちこちに鳥の羽が舞っている。


 エロティックな13の短編。

 「まえがき」に、困窮した作家が、お腹ぺこぺこの状態で書いたとある。

 金銭のために書かれた、エロティシズムに焦点を当てた物語は、自然ではなく、娼婦めいたものになってしまうという。

 そんな言い訳めいた説明が、興を削ぐどころか、むしろ期待を抱かせる。


 いくつかは、画家とモデルの話。

 必要最小限の状況説明と、大胆な性の描写。

 しかし、欲情目的の陳腐な小説とは異なり、どれも不思議と品がある。

 エロスを排したら、アナイス・ニンはどんな文章を書くのだろう。


 装丁、装画は柄澤齊氏。(2019)


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