ロビンソン本を読む

本とデザイン。読んだ本、読んでいない本、素敵なデザインの本。

ヴェネツィアの出版人

2019-09-21 11:20:00 | 日記
ハビエル・アスペイティア『ヴェネツィアの出版人』
 


 15世紀のヴェネツィアで、本作りに取り憑かれた男の物語。

 帯に「ビブリオフィリア必読の長編小説!」と書いてあるにもかかわらず、ノンフィクションだろう、本好き(ビブリオフィリア)が知っておくべき歴史が書かれているのだろうと思っていた。

 簡潔で主張しない、表紙の静かなたたずまいが、真面目で堅い内容を想像させたのだ。

 ところが、冒頭の数行を読んだだけで気持ちをがっちり掴まれてしまった。

 さらに1ページと進まないうちに、鮮やかな視点の移動に参ってしまい、それからあとは一気読み。

 実際には、何日もかけてじっくり読んだのだが、一気に物語の中を走り抜けような爽快感があった。

 そして、もう一度、最初の章を読んでみる。

 余韻に浸る。


 史実に基づいているのだろうが、著者の想像力は凄まじい。

 人物一人ひとりが、いまを生きているように魅力的に描かれている。

 ビブリオフィリアしか興味を持てないのか?

 とんでもない。

 きっと誰が読んでも楽しめる。


 装丁は水崎真奈美氏。(2019)

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