ロビンソン本を読む

本とデザイン。読んだ本、読んでいない本、素敵なデザインの本。

十二月の十日

2020-02-02 12:04:42 | 日記
ジョージ・ソーンダーズ『十二月の十日』





 帯を外すと、コラージュの全容が現れる。

 どことなく不気味ながらお洒落だ。

 左下にある「十」は、パイプを十字に組んだ写真。

 そのパイプと、ほぼ同じ太さでタイトル文字が入っている。

 あえて、文字がコラージュの一部に見えるように組んでいるのだろう。

 文字と写真の境界の曖昧さは、現実と妄想の曖昧さのようでもある。

 この小説には、2つの世界を行ったり来たりしながら、読む者の気持ちを揺さぶり、しっかりつかんでしまう凄さとうまさがある。


 10編の物語は、決して親しみやすいとはいえない。

 ちょっとダメな人たちが登場し、共感しにくい。

 彼らが、足を絡め取られるように、困ったことに巻き込まれていくと、同情しながら一緒に考え、経過を見守る。

 お節介ながら、口を挟みたくなる。

 
 言葉の感覚が絶妙だと感じるのは、岸本佐知子氏の翻訳もいいのだろう。


 装画はQ-TA氏、装丁は川名潤氏。(2020)  






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