みえない壁

見えないふりをしていた。　目の前には、見えない壁があった。
進もうともせず、また触ろうともせず。

息を吹きかけると、曇ったガラスは、その存在を表示する。

きっと、目を覆いたくなるような醜いモノだろう。

もっと早く、その存在を認め、手をかざしてあげていたら、
こんなにも醜くなることはなかったかもしれない。

周りには誰も居ない。
一人でこの壁を修復し誰もが無事に通っていけるようにしなくては。