月刊『農業経営者』副編集長の浅川芳裕氏だ。「日本は世界でも屈指の農業大国」と主張し,その根拠として,
●南北に長く高低差に富んだ気候条件
●日本が経済的,文化的に先進国であること
●農業技術が進んでいる
●国民の所得が高い
●農家が意欲的である
との,5点をあげている。この考え方には納得できない点もあるが,「鹿児島県の農業」の明るい兆し,強みをピックアップしてみる。
◇2010年度の新規就農者数は,10年連続で300人を超え
鹿児島県経営技術課のまとめによると、2010年度の新規就農者数は320人となり、01年から10年連続で300人を超えた。農家出身者でない新規参入者も64人で、6年ぶりに60人台に達した。
◇農業参入企業「順調」、9割が事業継続
鹿児島県は、県内の農業参入企業が統計を取り始めた2005年度以降、累計で83社増の151社となる一方、17社が撤退し、10年12月時点で134社となっているとの結果をまとめた。全体では参入企業の約9割が続けている。
県経営技術課によると、継続企業は管理能力が高いうえ、地域に溶け込んで農地や雇用を確保するなど努力しており、「比較的順調に経営している」としている。
同課によると、統計は05年度から年1回まとめている。参入企業は建設業、食品関連業が多く、撤退した17社のうち、14社は建設業だった。
好調な企業の特長について、参入前に余裕ある資金計画を立てていることに加え、品目の選定、栽培技術の習得方法、販路確保など中長期的な計画を策定し、認定農業者になっていることを挙げる。
撤退する主な理由は、(1)倒産など本業の悪化(2)価格低迷、コスト高といった農業経営の不振(3)本業に力を入れたいといった経営方針の転換?という。
県農政部は「新たな担い手として、市町村と連携し、円滑な企業参入を支援したい」としている。
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