日本モレックスにみる海外資本の動向

日本モレックス鹿児島工場（鹿屋）の増設は，ご同慶の至りである。ただし，手放しでは喜べない，同社の栃木工場（塩谷町）閉鎖は地元に深刻な影響を及ぼしている。
　１００年に一度ともいわれるの世界的な不況の到来が確実視されているいま，栃木県で起きている工場撤退の現実を他山の石として，いまからセーフティネットの構築を図るべきである。

▼▼鹿児島県内進出の海外企業の工場
・鹿児島オキシトン（株）国分工場
　 　フランス 化学工業 液体酸素・窒素　窒素ガス
・株）エヌ　エム　ビー　鹿児島加工センター
　　ドイツ 化学工業 コンクリート用化学混和剤
・鹿児島オキシトン（株）川内工場
　　フランス 化学工業 窒素ガス
・日本モレックス（株）鹿児島工場
　　アメリカ 電気機械製造業 民生・産業機器用コネクター
・株）メープルホームプランニング
　　カナダ 輸入・販売卸業 住宅建材輸入


▼栃木県の工場立地状況
　０７年の栃木県の工場立地件数は７１件で，全国６位。５年連続で上昇している。
　その一方，ペンタックス益子事業所（益子町）のカメラ工場に続き，日本モレックス栃木工場（塩谷町）の閉鎖が決まったように，県内立地件数の伸びにも陰りが出ている。 　
　栃木県では，県は既に立地している企業の定着化を図るため，工場新設などに対する補助金を設けたが，景気減速のもと事業縮小を迫られている企業には絶対的な救済策とはならない。「同じ事例が続かなければいいが…」と先行きを懸念している。

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