もうすぐ、私がお世話になった先輩の四十九日です。
でも、ご遺族のご意向で、仕事関係の人はお焼香が出来ません。
それも当然なので、仕方ないです。
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亡くなった先輩のお父様が亡くなったのが15年ほど前。
その時、周りのみんなが、独身の先輩に向けて
「お父さんに孫を見せてあげられなかったね」
そう言っていたのが、何故か忘れられません。
その話から遡ること約5年。
当時22歳だった私は、有休をもらって地元の庁舎に行きました。
自分の両親の離婚届一式を持って。
歩いて10分の距離がとってもとっても長く感じました。
時々「出さずにとんヅラしたら、どうなるんだ!?」と思いつつ
与えられた任務を遂行する事に気持ちを向けるようにしました。
不思議と一滴も涙が出ませんでした。
離婚する何年も前から母子家庭状態で父とは別居していたので、
事実上の状態に紙の上も一致するようになっただけだったのです。
でもお上は、その紙を出すことによって出る手当があります。
本当は、離婚届を出す前に色々と助けて欲しかったんです。
ルールに無い事はお上は手助けなんてやってくれません。
世はバブルの絶頂期に、生きていく為だけに私は就職しました。
今でもこの就職の決断が良かったのか!?、正直わかりません。
ただ、亡くなった先輩をはじめ、素敵な仲間達が出来ました。
それは40歳を過ぎても今の仕事をしていられる唯一の宝です。
私には子がいません。
私には少し年の離れた妹がいますが、6歳から持病があります。
私達姉妹は、自分達の赤ちゃんには出会えない可能性が高いです。
やっぱり、それは…どんなに色々あった親だとしても
「親御さんに孫を見せてあげられなかったね」って
そう思われてしまうのかなぁ…と、ふとした時に悩む事があります。
いくつになっても親不孝な娘なんだなぁ、って。
先輩は52歳まで独身のまま、自ら天へと旅立ちました。
「お母さんに孫を見せてあげられなかったね」
あの時のみんなは、今もそう思っているのかなぁ!?。
もうそんな言葉すら忘れちゃったかな!?。
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starting over って「再出発」的な意味だそうです。
いろいろな意味で、私自身、再出発しなくてはいけない。
…先輩の死は、そんな事をいっぱい考えさせられました。
2013.9.29 くりぴょん。