里山の山野草

里山と山野草の復活日記。

イラガの幼虫の脅威!

2010年07月28日 | 動 物
昨日、スイレンの葉を触っていたら、葉の左端に食べられた跡があった。

この時期になると、バッタの子供が何でも食べてしまうが、スイレンの葉を齧った犯人
はあの恐ろしい“イラガの幼虫”の一種類で、“ヒロヘリアオイラガ”という種類だ。
何しろ、イラガの幼虫は“電気虫”という異名を持つほど電撃的で、知らずに触れよう
ものなら激しい痛みに飛び上がるという悪魔だ。 危うく刺されるところだった!

〔ヒロヘリアオイラガの画像2枚、大きいほうが終齢幼虫〕
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この“電気虫”、憎めない一面もある。
蛹が抜け出た硬い殻を、“スズメノショウベンタゴ、雀の小便担桶”と呼び、雀の糞尿
を入れる桶とからかわれている。 製造当時は白地に黒の模様が入った堅いのが木の枝
にくっついていたのだが、いま庭に残っている小便担桶は痛んでしまっている。

〔痛んだ、雀の小便担桶の画像2枚〕
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この“電気虫”にも、もっと上手や強敵がいるそうだ。
その一つはチャドクガで、幼虫は毒針毛をたくさん持っていて触れると激しいかゆみに
襲われ発疹が出来るが、その毒針毛は幼虫が脱皮した殻に残り、蛹の表面や繭にも
くっついている上に、ご丁寧な事に雌成虫は腹に毒針毛をくっつけて飛び立ち、それを
卵塊になすりつけるという念の入れようで、つまり卵から成虫まで全部危険だと言う。

究極の強敵は、カマキリとスズメバチで、毒針をものともせずに“電気虫”の幼虫を食
べてしまうと言う。 それぞれ上には上が居るもので、自然界は複雑だ!

〔以下、 神奈川県衛生研究所のHPから引用〕
毒針毛を持つ毒蛾類
イラガ類・カレハガ類・ヒトリガ類は幼虫のみ毒を持ち、ドクガ類は卵から成虫まで全て
毒を持ち、毒トゲの先端部が皮膚に触れると内部の毒が注入されると考えられている。
しかし、その成分はヒスタミンや何らかの発痛物質とされているが、詳細はわからない。

イラガ類
日本には、イラガ類が27種類生息しているが、その内の何種類かの幼虫が毒を持つ。
・イラガ
 北海道~九州まで見られ、幼虫は黄緑色で背面に大きな黒褐色の斑紋があり、カキ・
 ナシ・サクラ・ウメ・アンズ・カエデ類・ヤナギ類・クリ・クルミ・リンゴ・ザクロ等の多くの
 樹木につく。
・ヒロヘリアオイラガ
 西日本各地~関東地方で見られ、幼虫は黄緑色で背面中央に青色の縦帯があり、
  サクラ・クスノキ・エノキ等の多種類の樹木につく。

ドクガ類
日本には、ドクガ類が52種類生息しているが毒を持つのは一部の種類だけで、特に問題
になるのはチャドクガとドクガ。

・チャドクガ
 本州以南で広く見られ、終齢幼虫は体長約25mmで約50万本の毒針毛を持っており、
 チャ・サザンカ・ツバキ等のツバキ類の植物だけにつく。
 成虫の翅は黄色で、翅の長さは10~20mmほど、前翅中央部には“くの字”型の幅の狭
 い帯状紋があり、先端部に1個または2個の黒点がある。 
・ドクガ
 北海道~九州まで広く見られ、終齢幼虫は体長約40mmで、600万本もの毒針を持っ
 ている。
 幼虫は、100種以上の植物、特にバラ類(サクラ、ウメ、ナシ、リンゴ、キイチゴ)・ブナ類
 (クヌギ、コナラ、クリ)・マメ類・ツツジ類等につく。 
 成虫の翅は濃い黄色で、翅の長さは20~40㎜ほど、中央部には「くの字」型の幅の広
 い帯状紋があり、先端部に2個の黒点がある(1個又は無い個体もある)。


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