狸笑庵だより。

ここ狸笑庵(りしょうあん)を訪れる
野鳥たちとのよもやまばなし。

我楽苦多。

2008-10-30 01:58:08 | Weblog



毎月28日は「川越成田山別院」で骨董市が開かれます。
小学生が遠足にでも行く気分で早起きしてしまう。
夜明けとともに始まります。始発電車で川越に向かう。

ここは千葉・成田山新勝寺の別院で真言密教の寺院だそうで
地元では「お不動様」と親しまれているようです。
関東三大骨董市の一つで西は大阪、東は山形まで
遠方からの出店が多いのも特徴です。
各地方の生活文化の違う品物を見るのも
楽しみの一つです。



お店での上手な買い物のコツは
1.あいさつをする。
2.気に入った物は素直にほめる。
3.品物は丁寧に扱う。だそうですが
店主と顔なじみになる事も大切ですね。
買う気が無いのに値段だけ聞く、これはいけませんね。
絶対に欲しいと思えば顔に表れてしまい、
誠意がお店の人にも伝わりますから。
 
私が骨董市で捜している物は、職人さんが自分で工夫し
使いやすい様に手作りした道具を見つける事です。
何に使ったか分からないまま、つい購入してしまいます。
いずれ役に立つのでしょうか。
道具は使いやすい様に自分で作るものなのですね。
そんな道具からは、使っていた職人さんの顔や心意気が
伝わって来ます。
ガラクタの箱の中から見つけると嬉しくなってしまうのです。

そんな道具を求めて骨董市をさまよっているのです。


「その木戸を通って」

2008-10-21 03:11:36 | Weblog



今年2月、92歳で他界した市川崑監督には70数本の作品が
あるそうですが、生涯一本だけ未公開になっている
映画があるそうだ。
1993年製作の「その木戸を通って」です。
原作が山本周五郎と聞いてしまうと観ない訳にはいきません。



      

開催中の「東京国際映画祭」で本日13時30分より
特別上映されることを今朝、知りました。
全席指定でインターネット予約のみだそうだ。
慣れない申し込み、エラーばかりで画面が先に進んでくれません。
「映画が始まってしまうよ!」
映画一本観るのにも面倒になりましたね。

物語と感想はこれから観る方のために控えます。
是非、ご覧下さい。

もう一度だけ逢いたい。
人生で心からそう思える人が、
どれだけいるだろう。(パンフレットより)

運まかせ。

2008-10-18 02:15:56 | Weblog



釣り歴◯◯年などと言ってもそうそう
腕が上がるものではありません。
腕が上がっても、釣果に結びつくという様な
甘いものではありません。

釣りはその日の運まかせ。



茨城の鹿嶋に出掛けました。
180度、目の前は全部太平洋です。
砂浜からこの海に遠投する釣りが好きです。
釣果はどうでもいいのです。
潮騒を聞きながら、ただただ遠投するだけでいいのです。

投げ続けて一日が暮れる。

私の釣りは、それだけでいいのです。

   

それにしても私の釣行は、運のない日が続きます。

こけらおとし。

2008-10-15 20:29:50 | Weblog


 
私達のテニスコートの隣の荒れ地には
大きな柿の木があります。
過去10年近くで、こんなにたわわに実った事は
ありませんね。
この柿の木に野鳥たちがやって来ると食べ頃のようで
毎年、野鳥たちが教えてくれます。

ところで新しい劇場での初公演を「柿落とし(こけらおとし)」と
いいますが、どうして「柿」が関係あるのだろう。
柿の実が熟し、完成の域に達するとポタッと枝から
落ちるからなのだろうか。

調べてみると「柿(こけら)」と「柿(かき)」は
意味も字体も別物でした。
「柿(こけら)」は木部四画、「柿(かき)」は木部五画、
パソコンでは、この文字は同じになってしまいます。

私は長い竹竿で「柿落とし」を楽しんでいます。
少年のように。


「神の木」

2008-10-12 22:24:29 | Weblog



西表島の原始の姿をそのまま残す仲間川を船で
上って行くと、珍しい木に出会いました。
思わずひれ伏してしまいそうな「神の木」でした。
木を見てこんな感動を覚えたことはありません。

体が震えています。

呼吸が止まっています。

板の様な平たい部分は、幾重にも重なる根っこです。
高い物は4メートルを超えています。
いかなる芸術家でも、この自然の造形を越える作品は
創り得ないのだろう。



この森から一枚の葉っぱを持ち帰り、家で水に浸けています。
葉からは、何本もの芽が出てくるそうだが
5日経っても変化は見られません。
かといって、私の家がマングローブの森に覆われても
困りますが……。

飯能だより。-37

2008-10-03 16:47:11 | Weblog

いよいよ今日は引っ越しです。
このまちに来た時も、帰る時も雨ですね。
お世話になった方々に最後の挨拶を済ませ
空っぽになった部屋から、飯能のまちをボンヤリ眺める。

「さぁ、帰ろう」



途中、「青ちゃん」の家に挨拶に寄ると、何とまぁ、
級友が先生の作業場でチャッカリと制作しています。
私も黙って見てはいられません。
先生の指導で「下端定規」を作り始めてしまいました。
この定規はカンナの台を直す時に、なくてはならない道具です。

級友のKさんは、ネイチャークラフトで自然木工教室の講師を
Mさんは指物師を、それぞれ目指すそうです。
まるで学校の実習所にいる様な気分で作業していたら
外がだんだんと暗くなってきました。
慣れない帰り道、暗くなる前に帰らないと。


飯能だより。-36

2008-10-02 22:01:12 | Weblog



このまちで建具店を営む学校の先生が
夕刻、私のアパートに訪ねてくれました。
学校での先生の口癖は「オレなんかわヨ~」です。
いつも仕事場の生の指導をしていただきました。
先生がいない所では、私達は「青ちゃん」と呼んでました。
内緒の話ですが。

また道具直しの名人でもありました。
骨董市で買って来たガラクタなカンナでもノミでも
使える様に直していただきました。
骨董市の次の日は先生は大忙しです。
級友たちが買い込んだ道具を学校に持ってきます。
直して頂いた道具はこれからも大事に使います。

私の手作りおでんで、まずは一杯やりますか…と思ったら
あっと言う間に一升瓶がカラでした。

飯能だより。-35

2008-10-02 18:50:57 | Weblog



学校とも22名のクラスメイトとも
お別れの日が来てしまいました。
学校で勉強することが、こんなに楽しい事だったとは
気付くのが遅かったようです。

これから木工房を開設して創作活動に入る方、ご夫婦で喫茶店を
開き創作を続ける方、5年後にギター制作者を目指す方
式根島に移住する方……いろいろです。
皆さんの夢を実現して下さい。
5年後には、思い出のまち・飯能で「同級生作品展」を開きましょう。

とにかく愉快で楽しい22名との汗と涙と笑いの6ヵ月が
終わりを告げました。
皆さん、お元気で。またどこかで会いましょう。



クラスメイトが作ってくれた卒業アルバムです。
タイトルは『木匠道』

飯能だより。-34

2008-10-01 10:59:45 | Weblog



「さわらびの湯」で眼を覚ます。
ずいぶんと永い時間、眠ってしまいました。
名栗から山道を走り、「竹寺」に行ってみよう。
地図にも載っていない、くねくね曲がった林道を
ひたすら上り続ける。
この先に竹寺はあるのだろうか。
途中、峠でギターを弾きながら歌う二人の青年に出会う。
こんな山の中で、人と出会うとホッとしますね。



   

竹寺は山岳信仰の道場として千年余の歴史を有するお寺でした。
本尊、牛頭天王(ごずてんのう)を祀り、神仏習合の姿を
今に残す東日本唯一の遺構だそうです。
牛頭天王は、インド祇園精舎の守護神だそうで、中国に入り
密教、道教、陰陽思想の習合があり、日本に伝わったそうです。



境内の竹メガネで覗くと、晴れた日には東京タワーも見えるそうです。
半信半疑で覗いてみたが、やっぱり見えませんでした。
眼下には私が暮らした飯能のまちが広がっています。
こんな小さなまちで、チッポけな自分がこのまちの皆さんに
温かく迎えられ暮らしていたのですね。

帰り道は山道を下り、中藤上郷を目指す。
お世話になった川島さんの窯工房にお別れを告げて行こう。
訪ねるともう来年五月の作品展の制作が始まっていました。
東京・青山で開かれるそうです。
また、その時にお会いしましょう。お元気で。




飯能だより。-33

2008-10-01 00:04:26 | Weblog




残りわずかな飯能暮らし。
名栗の温泉「さわらびの湯」に出掛けてみよう。
有間渓谷に入る谷間はとても深く、
深山幽谷という言葉がピッタリの所にありました。



館内に入ると地元・西川材のヒノキや杉のいい香りが
漂っています。「木の郷」に来たんだな~と実感します。
鳥のさえずりと名栗川のせせらぎを聞きながら
露天風呂につかる。極楽、極楽!





昼は名栗名物の「しばづと」をいただく。
山師が山に入る時に腰にぶら下げ、持って行った
弁当だそうです。
ほお葉に包まれた「おこわ」でした。
次の日、名栗から通う級友に「しばづと」食べたよと言ったら
何ですか、それと言われてしまいました。
どうやら地元では名物ではなさそうだ。



しばし昼寝で夢の中。