狸笑庵だより。

ここ狸笑庵(りしょうあん)を訪れる
野鳥たちとのよもやまばなし。

新・木の香り

2007-02-25 23:42:01 | Weblog
完成したCD棚を車から降ろしていると
隣に住む大工の棟梁さんが話しかけてきました。
「ウチにも丸太、あんべ。持ってきゃ」。
裏からご夫妻で運んできたのは直径55センチもある
「欅(けやき)」の丸太でした。
こうゆう物を見てしまうと嬉しくなってしまう。
とにかく重たい。
はて、何を作ろうか?
テーブルの上に置き、眺めながらこの丸太との
長い沈黙の会話が続く。

木の香り(最終回)

2007-02-24 23:25:42 | Weblog
なんとか形になりました。
当初の図面ではCDが126枚収納出来る予定でしたが
256枚収納出来ました。いかにも私らしいアバウトな
製作です。
このCD棚から最初に選んだのはERIC  CLAPTONの
「PILGRIM」です。
このアルバムを聴くと木更津での真赤な夕焼けの中での
一人の男との別れの光景が目に浮かびます。
車の中でこのCDが流れていました。
寂しく、切ないCLAPTONです。

木の香り(その5)

2007-02-21 23:25:23 | Weblog
棚を差し込む溝をノミでコツコツ掘り出したら
どうにも止まらなくなってしまった。
もっと深く、もっと深くとキリが無い。
もう「カッパえびせん」状態だ。
丸2日かかってしまったが、6本の溝堀が完了。
いよいよ今度の土曜日は3枚の棚を左右の丸太の溝に
大きな木槌で叩き込み完成といきたいのですが…。


木の香り(その4)

2007-02-18 02:14:25 | Weblog
今日は朝から気合を入れ、弁当持参で工房に出掛けた。
両サイドの丸太に棚を差し込む溝堀作業です。
私はどうも、いい加減な性格で常に楽な方法を
考えてしまうが、ここだけは妥協は許せない。
何が何でもノミで溝を掘りたくなってしまった。
コツコツ、まぁ、焦らずにやりましょうか。
ひと休みしてると、この工房の掲示板に
「譲ります。電動糸ノコ、ボール盤、作業台。無料。」の
張り紙を目にしました。
早速、その方に電話すると「これからでもどうぞ取りに来てください」との
お言葉。伺う道筋、きっと頑固親父みたいな気難しい人だろうなと
思いつつ住所を頼りにお宅を探しました。
訪ねると初老の上品な紳士が出迎えてくれました。
「もう使用されないのですか」と伺うと「歳を取ったので電動工具は
危なくてね」とのお言葉でした。
工具類はよく整備され、大切に使われていたのでしょう。
おまけに「木工の基礎」なる本も2冊頂きました。
またまた、おまけに私を庭の物置に誘い「これも持って行きますか?」と
電動ポンプも頂いてしまいました。
これは私達のテニスコートに水が溜まった時に大活躍しそうです。
本日、頂いた工具類は大事に使わせて頂きます。
いつか、このおじいさんにロッキング・チェアでも作ってあげたいものだ。


MORI君との再会。

2007-02-18 00:49:22 | Weblog
昨日、大阪から久し振りに学生時代の同級生
MORI君が上京した。
電話で夜8時40分の新幹線で帰ると言う。
すぐに東京駅にすっ飛んで行った。
待ち合わせ場所に指定された「銀のすず」が何処だか分らない。
やっと会えたら「田舎モン」と笑われてしまった。
わずか一時間の再会でした。

私のアルバムには一枚のチケットが貼ってあったノリの跡がある。
下には1966.7.2 日本武道館 ¥2100と書いてある。
高校2年生の時、ズル休みして初めて見たライブ公演です。
このチケットは一体、何処へ消えてしまったのだろうと
長い間、思っていました。
MORI君とは上京の折には根津で一杯やることになっていますが
酔いも回った頃、「あのチケット、僕が持ってます」と
ポロッと告白してしまったのです。
「え~、なんでMORI君が!」

MORI君とは気の合う同級生で近くの下宿から夕方になると
ギターを持って「いてるか?」と毎日、私のアパートにやって来ました。
二人でギターを弾きうたい意気投合しているうちに、
そのチケットをあげてしまったらしい。
昨年、MORI君が涙ながらにチケットを返してくれました。
40年振りに大阪から我が家に「THE BEATLES」が
帰ってきたのです。
長い間、大切に保管して頂きMORI様、有難うございました。

凄いブルースマンがいたもんだ。

2007-02-14 01:02:26 | Weblog
MISSISSIPPI  FRED  MCDOWELL。
このおじさんは一体何なんだ。
1962年に録音され、全編、アコギ一本、ボトルネックの連続。
一発録音ライブなので、おじさんのゲボッ、ゴボッという咳やら
掃除のおばさんらしき人の足音やら
「あの爺さん、何やっているんだろうね」なんていう
会話も録音されています。
その模様はまさに『魂のブルース』だ。
このアルバムを聴くには少々覚悟がいる。
禁断のアルバムかも知れません。
聴いてしまったら、貴方はもう地獄から抜け出せないかも知れません。
聴いてしまったら、貴方の魂は抜き取られてしまうかも知れません。

アコギな皆さんへ(その2)

2007-02-11 02:05:09 | Weblog
Jackson browneが久し振りに帰ってきてくれた。
私より一つ上のお兄さんでBob Dylan同様、
シンガーソングライターというジャンルを
確立した一人です。
彼の曲を知らない方でもEaglesのデビュ-曲
「Take It Easy」はどこかで耳にした事があるでしょう。
彼がデビュー前に作った曲です。
このアルバムは「ソロ・アコースティック 第1集」と
タイトルされ全編一人ぼっちのアコギとピアノの弾き語りで
彼独特の憂いや慈しみを感じさせてくれます。
曲間にはMCが収録されていますが
国内盤の発売が待ちきれず輸入盤を購入したため
和訳が載っていません。国内盤がお勧めです。
「第1集」とあるからには「第2集」も計画されているのでしょうか。
楽しみがまた一つ増えました。

♪チンカ~ラリン♪

2007-02-08 01:00:12 | Weblog
「湯島天神」の参道には懐かしいカルメ焼やらタコ焼、
七味唐辛子、甘酒屋等の出店が軒を連ねている。
七味の「やげん掘」ではお客さんの好みで調合してくれている。
子供の頃、七味売りのおじさんは自転車で家々を回っていました。
私はオフクロに頼み、いつも「麻の実」の代りに「青のり」を
一杯入れてもらった。
我が家の唐辛子は一味欠けた六味唐辛子でした。
その頃、「♪ロバのおじさん、チンカ~ラリン。チンカ~ラリンと
やって来る……♪」と音楽を流しながら「ロバのパン」も
やって来ました。
一番人気のむしパンの味は思い出せないが
ウマかったことは憶えている。
今思うとパンを乗せ馬車を曳いていたのは
本当に「ロバ」だったのだろうか。

湯島の白梅

2007-02-07 23:10:52 | Weblog
梅の名所「湯島天神」に寄ってみた。
2月8日から「梅祭り」が始まるそうだが境内の300本の
梅はまだ3分咲きでした。
奉納された絵馬には、すでに「合格御礼」も見られる。
他人様の絵馬をこっそり見ることは失礼ながら楽しいものだ。
願いを掲げた人たちの生きている姿が見えてくる。
その中に「〇〇学園、合格ありがとうございました。
引き続き勉強をがんばります」と書かれその続きに
たどたどしい幼い字で
「お姉ちゃんの大学受験に向けて勉強がんばれますように」との
一文が添えられている。
なかなか姉思いのおとうとさんだ。ほほえましい気分になってしまった。
そんな姉弟の姿が目に浮かんだ。

千手観音

2007-02-06 00:46:58 | Weblog
中国のテレビ放送でなんと
74.8%という驚異的な視聴率を記録し、
10億人もの人を感動の渦に
巻き込んだ伝説の舞踏「千手観音」。

テレビで久し振りに「中国障害者舞踏団」の
皆さんに会いました。21人全員が聴力障害者です。
音楽に合わせ踊っていますが音は聴こえてはおりません。
後の人が前の人に息を吹きかけ合図を送り
空気を伝わる音の振動で一糸乱れず踊る姿には
感動してしまいます。凄すぎます。
今日見れなかった方は下記のページで映像が見られます。
是非一度、奇跡の舞踏に泣いてください。
http://www.youtube.com/watch?v=1sh6RzzMrcw




チャンチャン焼

2007-02-05 01:14:29 | Weblog
釧路生まれのMさんがテニスコートで
本場のチャンチャン焼を作ってくれた。
秋鮭漁の季節に浜の番屋に
寝起きしていた漁師達の料理だそうで
浜で集めた石の上にスコップをのせ
鮭と野菜に味噌を塗り焼いて食べたそうです。
不安定な石の上でスコップと石がぶつかり
「ガチャンガチャン」と音がしたため
「チャンチャン焼」と呼ばれたそうです。

この料理には北原ミレイの「石狩挽歌」がよく似合う。
海猫(ごめ)が鳴くから ニシンが来ると
赤い筒袖(つっぽ)の やん衆がさわぐ
雪に埋もれた 番屋(ばんや)の隅で
わたしゃ夜通し 飯(めし)を炊(た)く

ここまで書いて気がつきました。
この歌は鮭漁ではなく、ニシン漁の歌でした。

木の香り(その3)

2007-02-04 23:15:43 | Weblog
約束の朝9時に工房に到着すると、
すでにおじいさんは待っててくれました。
早速、機械室に入るなり手際よく
丸太を削りだした。
見る見る間にカンナ屑が下のかごに溜まっていく。
屑といえども、もったいない気持ちになってしまう。
「おじいさん、オレにもやらせてよ」と言いたいのだが
この機械は素人さんお断りです。
私の第二工房であるテニスコートに持ち帰ると
正夫さんが電動研磨ブラシで磨き始めた。
今度は言えたぞ!
「オレにもやらせてよ」

木の香り(その2)

2007-02-04 02:49:52 | Weblog
「ふれあい工房」にて切り出した丸太のカンナ掛けを始める。
市民に開放されているこの工房の存在を知っている人は残念ながら
少ない。カンナやノコギリやノミ、電動工具も無料の施設です。
カンナ掛けは思っていたよりも難儀な作業でしたが楠のほのかな
香りの中での作業は至福のひとときでした。
そんな素人作業を見ていた指導員のおじいちゃんが
とうとう見かね「明日の朝9時に来なさい。
私が機械でけづってあげるから」との嬉しいお言葉。
このおじいさんとはギターをここで作っていた時からの
知り合いです。
「ところであのビオラを作っていた方は最近見えますか」と伺ったところ
全然来ないんだよとの返事。
あのビオラは今頃どこかで素晴らしい音色を奏でているのでしょう。

がんばれ!絹さや。

2007-02-04 01:12:28 | Weblog
今年は異常な暖冬のようで
私の野菜達もすくすく育っているようだ。
十月に種を蒔いたさやえんどうも
けなげに霜にも、冷たい北風にも耐えている。
なんとか枯れないでこの冬を乗り切って欲しい。
2年前から始めた農業も、今では二人で
150坪の畑を持つようになった。
週末の休みしか野菜たちには会えないが
いとおしいものだ。
一緒にやってる先輩の大山さんがいい事を
教えてくれました。
「狸笑庵さん、野菜たちは、なんで育つと思いますか?
肥料でしょうか。違いますね。愛情で育つのです。」
なるほどな。


ギター少年

2007-02-02 01:59:27 | Weblog
本日、我孫子の駅でギターケースを抱えた少年に会いました。
話を伺うとお父さんがフォークバンドをやっているそうで
その父の影響でギターを始めた高校一年生の少年でした。
二人で成田線に飛び乗った電車の中で少年は
「ぼくのギター、見ますか?」と
ケースを開け見せてくれました。
カッタウェイのギターでした。
次の駅で降りる間際、
少年は、こんな紙しか無いんですがとガムの包み紙に
メールアドレスを書いてくれ私に、渡してくれました。
こんな気持ちのいい少年をみると思わず声援を送ってしまう。
過去の自分に会った気がする。