風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

伊豆の海の吊り橋へ 2

2018-09-07 | 中部(東海)
その1からの続きです。

● もうひとつの吊り橋

門脇吊橋を渡って大満足の私。
「さあ、次の吊り橋へゴー!」
あまり知られていませんが、近くにもう一つ、吊り橋があります。
ここまで来たからには、そちらも渡らずしては帰れません。
吊り橋好きの名折れとなりますからね!

電車の駅でいうと、最寄りの城ヶ崎海岸駅からひとつ隣の駅になります。
伊豆高原駅そばの駐車場に車を停めると、浮き輪を抱えた水着姿の家族連れが、駐車場脇の水道を使って、汚れを落としていました。



小川沿いの遊歩道を海に向かって歩いていきます。
なかなか趣のある小川。橋もいい感じです。



すぐに海が見えるのかと思いきや、うっそうとした緑の中からなかなか出られません。
小川沿いを離れて、ごつごつした岩肌を超えていきます。

● 大淀小淀

その先に、岩礁でできた岬が見えてきました。
そこに自然の貯水池のような汐だまりができており、家族連れが何組か、そこで泳いでいるのが見えました。



大淀小淀(おおよど…こよど)といわれる場所だそう。
「大淀小淀。大波小波。おおさむこさむ」とつぶやきました。
徳島には、大歩危小歩危(おおぼけ・こぼけ)もありますね。
友人はノーリアクションでした。もう返すパワーがなかったのかもしれません。

● 橋立吊り橋

自然が作ったプールで泳ぐなんて、ステキだわ~。
その汐だまりの近くに、私たちが目指す橋立吊り橋がありました。



橋を迂回する山道を発見。
この橋を渡るのを避けたい人がいるわけですね。
こわいほど揺れるからかしら?期待値が高まります。



定員20名だそう。
こちらは小錦換算はしていませんが、計算してみると小錦は5名までになります。
(いえ、お相撲さんには迂回路を通ってもらいましょう)



早速わたってみました。橋立吊橋の方が、門脇吊橋よりも高さは少し低いですが、長さはあります。
そして、揺れます!
ただ歩くだけでも、かなり振動があります。
ユ~ラユラ。きゃっほう、これでこそ吊り橋よ!
嬉しいわ~。吊り橋らしい吊り橋を渡るのは、久しぶり~。



こちらの橋の方はあまり知られていないのか、全く人がいません。
土地の人らしき人が二人やってきましたが、すぐにいなくなりました。



足元では波が押し寄せては、岸壁に当たって飛び散っています。
ダイナミック!





橋の貸し切り状態に、大満足です。
ただ、日射が強くて、橋に揺られているとなんだか疲れを感じます。
木陰に入るとひんやりして、ほっと一息。
せっかく目的地にいるというのに、恐ろしいほどの暑さに、キビキビとは動けません。



友人のApple Watchを見ると、気温36度・・・!
信じられない!ほとんど体温!
「外では極力運動をしないように」と通達が来るレベルですね。



それでも、大淀小淀の汐だまりでは、子供たちが楽しく水遊びしています。
日光を浴びていても、水の中だからそれほど暑くないのでしょう。
十分堪能したので、その場を離れました。

● 対島の滝

帰る途中、標識を頼りに対島(たじま)の滝にも寄ってみます。



道の途中で、ピンクのおそろいのTシャツを着た子供たちとすれ違いました。
特別養護学校の生徒たちで、水色の服の男の子たちは吊り橋へ、女の子たちは滝へと二手に分かれて引率されていました。



流れに沿って歩いてきた小川が海へ流れ落ちてできた滝。
といっても、滝というほどの水量ではなく、チョロチョロと静かな流れ。
水量が多い時でないと滝にならないそうです。



対島の滝の横に作られた展望台から、しばし海を眺めました。



● カフェさがし

再び、小川沿いに緩やかな坂をてくてく上っていきます。
駐車場の車に戻った時には、暑さで二人ともぐったり。
のぼせ上っていて、言葉もありません。

「ふう・・・どこかでお茶でもしようか」
踏切で待つと、伊東と下田を結ぶ伊豆急行線が通っていきました。



車内の冷房が効いてからも、身体の熱はなかなか引かず、心臓がバクバク言い始めています。
冷たいものを口にしないといけなさそう。

観光地なので、駅前にはたくさんカフェがあるだろうと思いきや、小さな駅すぎて、お店自体がありません。
その土地のレトロなカフェも数軒見かけましたが、平日だからか開いていません。

そこで車道に出て、少し車を走らせます。
車道沿いにあるのは、車で入りやすいチェーン店。
「すぐに入れるところにしよう」と、見えてきたガストに車を停め、ここでちょっと休憩です。

● かき氷でクールダウン

身体がすっかりのぼせきってしまい、汗が止まりません。
考えもうまくまとまらなくなってきました。
すぐに冷たいものを摂取しないと、なんだか危険な予感。
友人も同じ状態のようなので、身体の本能に従って、かき氷とドリンクバーを頼みました。



今年初めてのかき氷。友人はいちご、私は宇治抹茶。
こめかみにキーンと響くかと構えましたが、まったく感じないまま、ぺろりとおいしくいただきました。
そういった普通の感覚も、麻痺していたのかもしれません。
身体が熱くなりすぎて、敏感反応が出なかったのではないかと思います。

暑い外から室内に避難してしばらく涼んでいるうちに、ようやく体調が落ち着いてきて、お互いまともな会話ができるようになりました。
「ああ、すごく暑かったね」
吊り橋の上が最高に暑かったです。
気づけば、一日のうち一番暑い時間帯にさしかかっていました。
おそらく、脱水症状を起こしかけていたのでしょう。あぶないあぶない。

● 伊東温泉

体調の不安がなくなり、おちついてからガストを出て、再びドライブ。
吊り橋を二つ巡るミッションを果たしたので、あとは帰途につくばかりです。

「せっかく伊豆まで来たから、立ち寄り湯に寄って行こうよ」
「大賛成!」
汗だくになったので、とにかくさっぱりしたい気持ちでいっぱい。



外は、少しずつ日が陰ってきました。
夕暮れのシーサイドライン、いいですね。



この辺り、温泉はあちこちにあるので、どこにしようね~と考えます。
行きに前を通って気になっていた、道の駅・伊東マリンタウン併設の立ち寄り温泉、シーサイド・スパに行ってみることにしました。



ここは地下1,000mから湧き出る、源泉かけ流し温泉。
大浴場と露天風呂があり、目の前は伊東マリーナ。沖には大型船舶が停泊しています。
けっこう熱いお湯でしたが、疲れを取るにはこれが一番。
アロマバスに入ってみましたが、何のアロマかはわからずじまいでした。

温泉でリフレッシュ。ようやく頭の中までクリアになったよう。
「実は、さっき吊り橋の上でかなりまずい状態になってたんだ」
「ポーっとして、足元がフラフラしてたんだ」
ようやくそんなことを口にする余裕が出てきました。
二人とも、結構危険な状態だったようです。

猛暑の吊り橋の上で、熱中症の入り口に立ってしまった私たち。
なんとか大事には至りませんでしたが、かなりまずいという自覚がありました。
暑い時の外出には、どうぞ十分お気をつけください!

● 宇佐美の花火

元気を取り戻して、建物の外に出ると、花火が打ちあがり、空に大きく広がるのが見えました。


ドーン!!



ドーン!!


「わー、花火!」
しばらくその場で眺めます。
てっきり熱海では、毎日10分間花火が上がるので、そこだろうと思いました。


ドーン!!


車に乗って海岸線を走りだすと、暗い浜辺になにやら人の気配。
そこには、腰を下ろして花火を見物している大勢の人々がいました。
ここはまだ熱海ではないので、毎日上がる花火ではなさそう。
調べてみたら、宇佐美夏まつり海上花火大会でした。
何も知らなかったのに、たまたま花火が上がる時間にいられて、ラッキーでした。

● 海老名オムライス

それから高速道路に入り、海老名SAで夕食。



「洋食の王様 M1プレート」のオムライスにしました。フワフワでした。


夏バテと熱中症には、スイカね~!


そうして横浜に戻り、帰宅しました。

● epilogue

友人のスケジューリングのおかげで、行き帰り渋滞に合うこともなく、スイスイ伊豆ドライブができた日。
前々から訪れてみたいと思っていた、城ヶ崎の断崖絶壁の吊り橋二つを渡ることができて、大満足です。
さらに夜には、予想外の打ち上げ花火も見ることができました。なんてラッキー!

ただし、猛暑は予想以上に過酷でした。
それほど外で激しく動いたわけでもなく、吊り橋を何往復かしただけなのに、熱中症になりかけて、身体じゅうがクラクラしました。
油断大敵。特に旅先では、健康管理は大切ですね。

山あり、海あり、温泉ありの風光明媚な伊豆は、見どころがたくさん。
これからさらに、いろいろな場所を訪れてみたいと思います。



最新の画像もっと見る

post a comment