風に吹かれて旅ごころ

はんなり旅を楽しむはずが、気づけばいつも珍道中。

奥大和・京の桜の少し前 1-2

2018-03-27 | 近畿(京都・滋賀)
その1からの続きです。 

● 勝手神社のしだれ梅

吉野山の門前町の散策を続けます。
魚の置物と梅がさりげなく飾られたお店。
柚子香桜鮎すしという看板が出ている、枳殻屋(きこくや)というお店です。



勝手神社は建物がなく、ススキが生い茂る寂しい光景でした。
不審火で本殿が焼失してしまい、目下復興中とのこと。



無人の境内。
誰に見られることがなくても、しだれ梅がきれいに咲いていました。



勝手神社って、京都の大原三千院の奥の方にもあって、どんな神様が祀られているのか気になっていたんですよね。
ここが、その大原含む、全国に28社ある勝手神社の総本社だそう。
主祭神の天之忍穗耳命(アメノホシホミミ)は、当座は吉水神社で祀られているとのこと。
台所(お勝手)の神様の、竈神かなと思っていたけれど、どうやら違うようです。



● サクラ花壇

それからさらにテクテク歩いて行くと、「サクラ花壇」とレトロな文字で書かれた建物がありました。
これを見た人はみんな(お花屋さんね)と思うことでしょう。



ところが、建物の前には「天皇御泊所」という石碑が立っています。
さらに、著名な作家たちが宿泊し、谷崎潤一郎が「吉野葛」、吉川英治が「新平家物語」、内藤康夫が「天河伝説殺人事件」を執筆した宿だという説明板もありました。
えっ、お宿なの?



お花屋さんではなく、「櫻花壇」という歴史ある旅館のようです。
この時は閉まっているようでした。
いつか、桜の時期に泊まってみたいものだわ~。



● 五郎平茶屋あと

さて、吉野の門前町通りからそれて、山道の方へと分け入ります。
この辺り、あと一週間もすれば、中千本、上千本桜が一望できるあたり。
しかしながら、今は全く咲いていません。
単なる山の中の小道です。さびし~。

迷い込みそうな細道ですが、ぽかぽかと暖かく、クマもイノシシも出そうにないので、ハイキング気分で散策。
この辺りは、五郎平園地といって、かつて五郎平茶屋があったそうです。
今もあったら、山の中で一服できるのに。

次第に道は下りになり、どんどん降りていきました。
両側に山がそびえる中千本の谷へ。



● ゴダイゴ天皇

いったん谷に下りてから隣の山に登ると、後醍醐天皇が眠る如意輪寺があります。
後醍醐天皇は、不屈の倒幕精神を燃やし続けた人。
天皇家で唯一人、京方面の北を向いた墓陵に眠っているそうです。
お寺への道に「後醍醐天皇も歩いた道」と看板がありましたが、鎌倉びいきの私は、お寺を下から眺めてよしとします。

人っ子一人いない山の中、谷沿いの道を歩いていきます。
小川が流れ、せせらぎの音が聴こえ、鳥のさえずりも聴こえてきます。
自然がいっぱいで、政治とか勢力とかどうでもよくなりそうなぽかぽか陽気。

こんなにのどかで風光明媚な場所にいながら、平和に落ちつくことなく、最後まで都での権力を求めた後醍醐天皇は、すごい精神力の持ち主ですね。
空ではトンビがゆっくりと旋回していました。



● ささやきの小径

谷沿いの道はささやきの小径と言われますが、人がいないのでささやくこともありません。
風や小川の流れのことを言っているかな?



せせらぎの向こうには、杉林がずっと続いています。
先ほど参拝した脳天大神でお坊さんが「今日も花粉がすごい。車のフロントガラスにびっしりつく季節です」と話していました。
吉野は桜も多いけれど、杉もたくさんあります。
谷一帯に広がる杉林を見て、マスクをつけました。



● 野生と理性

のぼり旗がはためいており、裏側の方が見えました。
「野」なのか「理」なのか、一瞬わかりません。
野生のコーヒー? 理性のコーヒー?
「野生」の、エチオピアコーヒーの宣伝でした。



これが「理性のコーヒー」となると、ぜんぜん話が違ってきますね。
ちなみにどちらの文字も私の名前の中にあります。
野生と理性かあ、気が付かなかったわ。

● 二匹のわんこ

なおも歩を進めていくと、ちらほら民家が見えてきます。
一件の家の縁側で、2匹の犬がくつろいでいました。
(あ、目が合った)と思ったら、すぐに立ち上がって、一目散に私のところへ駆け寄ってきました。



(えっ、つながれていないの?)とびっくり。
(噛まれる!)と思いましたが、尻尾をぶんぶん振っているし、ほえないし、飛び跳ねてじゃれついてきます。
首輪をつけているので、この家のペットなのでしょう。
後醍醐天皇と同じ場所に、自分のお墓ができるのかと思った!



ジャック・ラッセルテリアと柴犬が混ざっているような犬種。
首輪はあるのに、つながれていません。
都会では考えられませんが、ここだとありなんでしょうね。

● 道先案内犬

とても人懐こいので、「よしよし」とワサワサ撫でてあげます。
ひとしきりじゃれついた後、また家に戻っていくのかなと思いきや、2匹の犬は私の先にたって歩き出しました。



えー、どこに行くのー?
止めようにも、紐がないのでどうにもなりません。
声をかけても、会ったばかりですからね。
立ち止まっていると、こちらを向いて「はよ来んかい」みたいな顔をします。
これはきっと、案内してくれようとしているのねー。
じゃあよろしくお願いしますー。



川沿いの一本道を間違えることはなさそう。
でも、山上の門前町通りを離れてからずっと一人きりだったので、旅は道連れということにしましょう。



といっても、犬たちも気まぐれ。
ふんふんと道端で匂いをかいでは私に追い越され、また駆けぬいていったりします。



私も、マンホールや道端のお地蔵さんを見つけては、立ち止まってしげしげと見ています。
わんこたちが先に行っても、急いで後をつけてはいません。



お互いのペースで、お互いが好きなように歩いていきました。
吉野のマンホールは、桜に鮎。



けっこうな距離を歩いています。
わんこたちは、相変わらず先導してくれています。



このシチュエーションは、まるで山中で迷える空海を導いた、狩場明神の白黒2匹の犬みたい。
犬について行くなんて、空海先生もなかなかの好奇心の持ち主だったのね。
と、弘法大師気分になったりしますが、それにしてもどこまでも案内してくれる犬たちのことが気になります。



● わんこたち帰る

地図で見ると、あと少し行くと車道に合流して、駅前に出るもよう。
できれば危ない車道に出る前に、犬たちを家に戻したいなあ。

そう思っていると、車道から一台の軽トラがやってきました。
私が道の端によると、軽トラはスピードを落とし、窓を開けて、犬に向かって口笛を吹き始めました。

運転席と助手席には、エプロン姿の女性が2人。
(きっとこの犬たちの飼い主さんだわ)と思います。
犬たちが口笛に気を取られている隙に、こっそりトラックの横をすり抜けて、一人車道に出て歩いていきました。

数十メートル離れた辺りで、わんこが「ワオ~ン」と遠吠えする声が聞こえてきましたが、2匹とも、それきりやってはきませんでした。
わんこたち、バイバイ。お家に帰ってね。
人懐こく親切な犬たちとの、なんとも不思議な道行き。
ガイドしてもらったので、森の中も寂しくありませんでした。



● 青の交響曲

吉野駅に戻ると、クラシカルな外装の電車が停まっていました。
大阪と吉野を1日2往復する観光特急、青の交響曲(シンフォニー)号。
賑やかな大阪阿部野橋と山奥の吉野を結んでいるというのが、対照的でいとおかし。



落ち着いた深みのある青い車体。絵になります。
乗りやすそうなオリエント急行という雰囲気です。



写真を撮りまくる鉄っちゃんたちと一緒に、パチパチ。
シンフォニー号が旅出った後に、私の乗った電車がのんびり出発しました。



その3に続きます。

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2 Comments

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Unknown (アネッティワールド)
2018-04-07 15:33:53
駅前に通じる通りまで案内してくれたのかな?
すごい犬ですね。

犬好きな人でも山道で
放し飼いの犬に出くわすと
ビビりますよね。

まだシンフォニー乗ったことありませんが
撮り鉄の真似はしましたよ。
アネッティさんへ (リカ)
2018-04-10 12:08:20
ワンちゃん、二匹が猛ダッシュで駆けてきたので、番犬に噛まれるかと思って観念しましたが、じゃれついてきたのでほっとしました。
もう一回り大きなわんこだったら、こわくて泣いていたかもしれません!レオちゃんなら大歓迎!!

多分、ガイドしてくれたんだと思いますが、単に自分が散歩したかったのかな?(笑)
それにしても、今が平成の世だと忘れてしまいそうな、のどかな体験でした。わんこたちかわいかったです~(#^.^#)

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