その1からの続きです。
● 今度は山へ
ホテルの中を探検しているうちに、体が温まり、体調が戻ってきました。
じっと丸まっているより、少しは身体を動かした方がいいだろうと、再び散歩に出かけます。
今度は冷えないように、万全の寒さ対策をして。
いつも浜辺にばかり行っているので、たまには反対側の、山の方に行ってみようっと。
● ファイアステーション
前日、チャーターバスが見つけられずにうろうろしていた辺りに差し掛かりました。
あー、これ消防署じゃない?
確かに一目見たらわかります。どうして昨日、見つけられなかったんだろう?
後で聞いたら、リョコちゃんの目にはしっかり映っていたそうです。
バスしか見えてなかった私。競馬の馬みたい。
かわいい消防車が置いてありました。
素朴でいいですね。シトロエンの2CVみたい。
通りの角には中世の動物のような彫刻がありました。
右は獅子、左は竜。かっこいーい。
獅子の方向に向かいます。
● うろうろ登山
見晴らしがいいところがあると聞き、山の方に行けばわかるかなと、ふらりと向かいました。
でも、なにも表示がありません。
カラフルな階段を見つけて(ここの上にあるのは、きっと公園だろう)と上ってみました。
でも、無人の別荘がぽつんとあるだけだったので、引き返しました。
山に行くには、どの道を行けばいいの?
ポーランド語の地図は、判読できません。
歩いていればわかると思って、レセプションに聞かずにきました。
● ポーランド語の地図
あとで、ウッチ在住のダミアンに「ウッチもソポトも、ポーランド語の地図しかなくて、わからなかったよ」と訴えたら「そんな、ワルシャワならともかく、英語版の地図なんてないよ」と言われました。
えー、ポーランド人はそういう感覚なのね。
日本だと、ある程度の地方都市には、英語版の地図があります。
ここはロシア語、ドイツ語の方が身近ですが、どの外国語版の地図もありません。
まだ、ポーランドが観光国になっていないからでしょうか。
すばらしく魅力にあふれた国なので、もったいないと思ったり、これからなのねと思ったり。
でもまあ、正確な情報を知りたいのならば、ネットで調べればなんとかなります。
目的を持たずに、見知らぬ土地を歩き回るのもまた、旅の醍醐味なのです。
そんなわけで、気が向くままにフラフラ。
かわいらしい民家の庭に、木製のコウノトリの人形を見つけました。
別の場所でも見かけましたが、もうすぐこの家に赤ちゃんがやって来るということなのでしょうか?
● 森の中の水車小屋
山に向かって、てくてく坂を上がっていきます。
少し秋めいてきた、妖精が棲んでいそうなヨーロッパの森。
木々に囲まれて、水車小屋がありました。
Restaruacja Harnaśというレストランでした。
● 池の水鳥
水車小屋の奥の木立の陰に、池を発見。
木々をかき分けて近づきます。
一足先に、向こう側から人がやってきて、池のほとりに立ちました。
すると、水鳥たちが一斉にその人の方へと向かいました。
餌をもらえると思ったようです。
向こう側の人の方へ集まる鳥たち
でもその人は、くるりと後ろを向いてしまいました。
そのまま動きません。
あれ、どうしたのかな?
どうやら「こっちに来ても餌はないよー」と、全身で鳥たちに伝えているようです。
今度は私めがけてやってきた
拒否された鳥たちは(もう一人いるぞ、今度はあっちだ!)とばかりに、今度は私の方にすごい速さで近づいてきました。
ごめんね、私も何も持ってきてないのよー。
しからばこれにて、ドロン!
● 森のオペラ
池を離れて、さらに坂を上っていくと、Opera Leśna(森のオペラ)と書かれた門が見えてきました。
地図上にOPERAとだけ書いてあったので、山の中にオペラ座の建物があるのかと思ったのです。
確かにポスターを見ると、森の中の屋外劇場があり、フォレストコンサートが開催されるようです。
受付から先に進むには、コンサートチケットが必要なので、そこで満足してUターンしました。
● 山から海へ
しばらく緑の中にいたので、水が見たくなりました。
どんどん坂を下って、海の方へと向かいます。
グダンスクにもグディニャにも2.5kmの地点。
ここは、ちょうど中間なんですね。
立派な館です。ドラマチックなドラマがないわけはない!
● ダバダバダ
山を降りきって、ふたたび海まで出ました。
相変わらず風が強く、普段よりも閑散としています。
海沿いのスタバ
夏が過ぎて静かなビーチは映画『男と女』のドーヴィルを思い出します。
ダバダバダ~♪
ノルマンディとバルト海なので、場所はずいぶん違いますが、港とヴィラとカジノとホテルがあるリゾートタウンというところは、共通しています。
白鳥は、午前中見た時と変わらず、浜辺近くの海に浮いています。
● 曇りのサンセット
夕方近くになると、空が赤く染まってきました。
重く立ち込めている雲の向こうに、きれいな青空が見えます。
明日はきっといい天気。
カラスじゃなくてカモメがキューキュー鳴くから、帰ろ―っと。
● ソポト女子会
ショッピング中のリョコちゃんから連絡がありました。
グダンスクの寒さに参ってしまい、教授陣と別れて女性メンバーのオーリさんと一緒にソポトに戻るとのこと。
この日の突然の冷え込みに、私だけでなく女性陣は体調に影響を受けてしまったようです。
「だから一緒に夕食にしない?」と声をかけてもらいました。
嬉しいお誘いです。いつも気にかけてもらって、ありがたいわ。
そこで、彼女たちとジョインして、気の置けない女性同士の会になりました。
近くのブルワリー、Browar Miejski Sopotに入ります。
ブルワリーはこの旅で2件目。
ポーランド人も、ビールは大好きのようです。
せっかくのブルワリーですが、私は飲めないし、妊婦さんのリョコちゃんは禁酒中。
オーリさんが代表して、ビールをオーダー。
研究仲間のリョコちゃんとオーリさんは、酒豪仲間でもあり、普段は夜通し飲み明かすそうです。
● 仲間がいた
ライブ演奏中の店内に入り、席に通されると、近くの長テーブルに学会のメンバーがいました。
「わー、君たちも来たんだね!」
すでにいい感じで、皆さんアルコールが回っていました。
みんなの前に置かれている大ジョッキに目がいきます。
「あれピッチャーじゃない?」「いやー、みんな持ってるから、個人用だよ」
「いったい何パイントなのー?」
隣のテーブルの男性も、試飲セットを頼んだと思ったら、あっという間に飲み干していました。
その速さたるや、私がウッチでモタモタ飲んだ時とは雲泥の差でした。
● 大ピエロギ
スープとピエロギ数種をオーダー。
こんなに大きなピエロギが来ましたよ!
これ一個で十分って感じー。
中には、お肉がぎっしり!
包んである皮も分厚いので、本当にボリューミーです。
手前が、本日のスープ。具だくさんで、少しスパイシーでした。
右はリョコちゃんが頼んだステーキ、左は小さなピエロギ。
どれもおいしいのですが、途中でおなかいっぱいになって、食べきれませんでした。
デザートも無理だったわ~。
● オーリさん
学会メンバーの方々は皆さん気さくで、オーリさんもとても感じがよい方。
明治大学の先生方と一緒に、ポツダムで開催された別の学会にも出席されたそう。
ポーランドにもう2週間滞在されており、すっかり場になじんでいました。
旅程をすべてこなしたので、明日ワルシャワに移動して帰国するそうです。
お店を出てオーリさんとお別れし、ホテルの部屋に帰ってティータイム。
お茶を飲みながら、またリョコちゃんと話をします。
魔力がありすぎる、彼女との心地よい会話。
気づいたときには、3時を回っていました。
7日目に続きます。