ランが仕事から帰宅して『飲みに行きたかったのに誰も捕まらなかった!』と言う
なので、あとでカラオケに行くから、と言う。
じゃあ夕飯作るから手伝って、と洗い物を頼んだ。
『はぁ~?!』
それを聞いたリンが洗い物を始めた。
相変わらずランの顔色を伺う子だ、、と少し気の毒に思う。
じゃあ大根切って、とランにお願いをする。
『今から切って何を作ろうってゆーの?!1時間はかかるでしょう!もう私、外で食べるから!』
仕事で疲れてるんだろう。
もう、私がぱっと見体調が良くなったら家事は私の仕事なんだろう。
分かった、いいよ、と言って私は大根を切り出すと気が引けたのか、
ランが『切る』と言うのでお願いをした。
でも切る時も不満そうで、してやってる感じがいっぱいだ。
切り終わるとリビングに立ち尽くし、それから自分の部屋へ戻って懐かしい笑い発作を起こした。
超久しぶりだ
ベッドに寝かせ、『遊びたい、気晴らしがしたいのはわかるけど、疲れてるのよ、休まなきゃ』と頭を撫でる。
前日は友人と仕事帰りに食事を食べに行き、明日の予定は夜から彼氏とデート。
今日はゆっくり休むといいのでは、と感じる。
『今まで家のことはママが全部やればいいや、って思ってた。
でもね、もう無理だ、って分かったんだ。まだ、病気も治らないし。
だから、少しづつ皆で助けて欲しいの。
家事って地味な作業ばかりで、下働きみたいに感じると思うけどね、
誰かが作らなきゃご飯食べられないし、買ってばかりじゃ回らないよ。
洋服も仕事着も、綺麗にはならないの。生活には大切な仕事なのよ。
やらなくていい、って言ってあげたいけど、ママはもう無理出来なくて。。。
でも今日はいいからゆっくり休んで』
そう言って部屋を立ち去る。
きゃっ、実は半分くらいもっている
これは発作ではない、一種のヒステリーだと確信した。
今まで発作を起こせば嫌な事は逃れて、色んな優遇がされた。
でも大根を切るだけで、起こすなんてただのヒステリーだと確信した。
だから絶対に『家事はやらなくていいよ』なんて言わないと決めた
私の具合が悪くなっても1回も食事を作らなかったラン。
これじゃダメだと、本当に感じた。
これを機に家事の手伝いをさせようと、決めたから。
ココで引いたら、もうこんな機会は無いと思う。
稼いだり、遊ぶのはいい。
でも生きていく上で、家事は不可欠だ。
それが、ヒステリーを起こすほど嫌な事では、成長も、自立も望めない。
生活なんて、ゴミ捨て、トイレ掃除、洗い物、洗濯、料理、買い物、の日々だ。
病気があったから、甘やかしてしまったけど、仕事も2年目、もういいだろうと思う。
ランの自立に向けて、自信にもなるだろう。
そして今日は洗濯物を干しておいてね、と頼んで出かけた。
返事は『えっ?!私もね出かける支度しないと!』
何時に出かけるの?と聞くと1時間半はある(笑)
『10分もかからないってよろしくー』
なかなか疲れるやり取りだが、母はこのチャンスは絶対に逃さないつもりだ!
いつか、いつか必ずやっておいて良かったと思う日が来る。
いつか、わかってくれたらいいのよ。。。
今は嫌々でも、家事に関わろうね、ラン。