今日の出来事は、本当に面白いくらい何もありません・・・・
なので今回は早々と小説に入らせていただきます。
といっても今日で最終回です。
第5話・リアザ
それからも何日間も現れないリアザが心配になってきた。
もしかしてもう死んでしまったのではないのか、
不安がこみ上げてくる。
何で断ってしまったんだろう。
神様に頼んでも私は特別な力を手に入れることは出来なかった。
私はいてもたってもいられなくて外へとび出す。
公園
学校
スーパー
とにかくいろんなところを探し回った。
生きていてほしい。
今は願うしかない、だんだんと太陽が下へ落ちていく。
私は人目も気にせず道ばたで大きく叫んだ。
「リアザ!お願い、出てきて!」
叫ぶとこらえていた涙が出てくる。
「お願い・・・・私、リアザの女神になりたいの・・」
必死に伝えたつもりだった。
空を見上げるとまだ少し明るい空から星が見える。
「あ、」
流れ星だ。
美しく1本の線を描くとそのまま何処かへ消えてしまった。
「やっぱり僕の女神は君だけだ」
空からリアザがそっと降りてきた。
かすかな夕陽の光がリアザの全身を光の世界からつれてきたかのように輝いて見えた。
リアザが地面に降り立つと一気に空は暗い闇とたくさんの星の世界に変わった。
「バカ!」
私はリアザに抱きついた。
会えた事が嬉しかった。
生きていたことが嬉しかった。
まだ私を女神としてみてくれた事が嬉しかった。
リアザはオロオロしだすけどそのまま私に体をゆだねてくれた。
しばらくするとある事を思い出した。
『一般の人は誰も見えない』
私はあわてて周りを見る。
だが、不審がって見る人はいなかった。
「大丈夫、今日は満月だから」
そういってリアザは微笑んだ。
なんだろう、リアザのこの笑顔が好き。
髪が好き
目が好き
性格が好き
全部好き
いつからこんな思いに変わっていったんだろう。
きっと最初からだろう。
私はそのまま夜道を2人で歩いた。
家につくとリアザはひと時の別れをいった。
私はそのまま1人で家に入って自分の寝室の扉を開く。
リアザは私の部屋で待っていた。
「玄関から入ったらビックリされちゃうから」
そういって私に笑いかける。
私は地べたに座ってリアザに話しかけた。
「これから私はどうすればいいの?貴方を助けるために何をしたらいいのかな?」
するとリアザが不安げな顔でこっちを見てくる。
「でも、大丈夫?前あんなに嫌がってたから」
「大丈夫!」
私は笑顔で答えた。
しかしなかなかリアザは自分を救う方法を教えようとはしない。
「どうしたの?」
私は問いかけてみる。
するとリアザの顔が何故か赤くなった。
「・・・・・まさか」
おとぎの国の物語を思い出してみる。
眠りについた人を救う方法はただ1つ。
リアザが真っ赤な顔でこくんと頷いた。
「き・・・キス?!」
「ああああ!生身でいわないで、恥ずかしい!!!」
リアザがオロオロしだす。
私の顔も一気に赤くなった。
「・・・・・」
私は今までキスなんてした事がない。
命を救う方法だと知っていても何故か抵抗感というのはおきてしまう。
「他の人とかは?」
「赤い玉が決めた相手じゃないとだめらしい・・・・」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
何だか気まずい沈黙がお互いの空気を包み込む。
「自分の魔法で何とかするとか・・・・」
私はそっと聞いてみた。
「魔法は基本死ぬ前の娯楽だから、そんなのに使えないんだよ」
「そっか・・・・」
「うん・・・・」
何だかお互いどうすればいいのかわからなくなってきた。
まさかおとぎの国そのままだとは私も思っていなかった。
「・・・・やる」
私はうつむきながら答えた。
「え?」
リアザか聞き返してくる。
私はリアザの胸元をつかんで真っ赤な顔で怒ったようにいった。
「だからやるっていってんでしょ!」
「あ・・・・はい」
リアザはいきなりの事でかなり驚いたようなおびえたような顔をした。
でも私が手を話すと、くすりと笑った。
「ありがとう」
そして翌日、私は学校が終わった後リアザの眠る病院に向かった。
病室を歩いていくとある名前の書いてある部屋の前で立ち止まった。
{衛藤 利亜挫}
「うわ、本当にリアザって漢字で書いてある・・・」
私はノックをして部屋に入った。
個室のベッドに1人の少年が眠っている。
それがまぎれもない本当のリアザだった。
私はリアザの本当の体にゆっくり近づいていった。
「まって!」
いきなり行くのを止められてしまった。
「どうしたの?」
「・・・お願い、怒らないで」
何故かリアザが震えている。
私はリアザの本当の体をちゃんと見た瞬間、言葉を失った。
首から下にあざが隠れて見える。
腕を見るとそこには煙草の先をつけた後や殴った後、何かで切った後があった。
「虐待・・・・うけてたんだ」
「僕が悪いんだよ」
リアザはそういって優しく微笑んだ、でもその笑顔は歪んで見える。
すると後ろからノックオンがした後扉が開いた。
「こんにちは」
看護士の方が入ってきて挨拶をする。
そしてリアザの元へ行くと濡れタオルで体を拭き始めた。
やはり体にもたくさんの虐待の痕がある。
私は目をそらさずにはいられなかった。
「親に、虐待されたんですか?」
私は思い切って看護士に聞いてみた。
「えぇ・・・・今はもう親には会えないようになっています。これから理亜挫君は親戚の下で暮らすように手続きは済ませているのですが、やはりやはり大きなショックのせいで、もう3ヶ月も眠ったままなんです」
そういってそのあと看護士さんは外に出て行った。
「大丈夫、僕はもう殴られる事もない、母さんも幸せな場所を今見つけたみたいだし」
リアザはそういってもう1人の自分の顔を眺めた。
私はなにもいわずベッドに眠るリアザの近くに行って頬を触れた後優しく口付けを交わした。
すると魔法使いのリアザの体は光る星のように散らばった後、リアザの体に入っていった。
そして、リアザの目がゆっくり開かれる。
「いきなりは、ちょっとビックリしたよ」
そういってベッドの中で私に笑いかけたと思ったらそのまま私の頭に手を回して自分の方へ口を近づけてきた。
わしはいきなりの事でバランスを崩してリアザのベッドに倒れこむ。
「な・・・ななな!!」
私はあわてて起き上がって後ろへ引き下がった。
「ちょっと!あの純粋むくなリアザは何処にいったの?!」
するとリアザはベッドから体を起こして笑った。
「僕は基本こんな性格だよ」
「だまされた!!」
するとリアザは嬉しそうな顔で私に笑いかけた。
私もつられて笑う。
病室の一角がそのとき笑顔で包まれた。
するとリアザが私の手をつかんできた。
「あのさ、これは神が定めた運命なのかもしれない、僕の女神としてそのまま恋人になってくれたりしないかな」
今までのリアザとはまったく違う積極性に今度はこっちがオロオロしだす。
でもリアザの顔は真剣そのものだった。
「お・・・おねがいします」
エピローグ
それからわずか1ヶ月でリアザは退院する事になった。
そして2日後、私の学校に転校生がやってくる。
「衛藤 利亜挫ですよろしくおねがいします」
私たちは同じ学校の同じクラスの生徒になった。
こうして魔法使いのリアザは人間に戻る事に成功し、今まで以上の幸福を得ることが出来たのはいうまでもない。
そしてもちろん私も・・・・・
あとがき
ここまで読んでくださった方々ありがとうございます。
この物語はホラー小説を書いたあとに書きました。
ホラーがあまりにも重く濃いストーリーだったので軽いのを希望して書いたら。
あっさりしすぎているのではないかという意見もありましたね
やっぱり小説は難しいです・・・・
でも何だかほっとする感じに終わることが出来てよかったと思っています。
ではまた明日♪
(今日の天気)