林 住 記

寝言 うわごと のようなもの

曼珠沙華伝説

2011-09-23 | 歌の翼に

   「曼珠沙華」         北原 白秋

   GONSYAN GONSYAN 何処へゆく
   赤い お墓の曼珠沙華
   曼珠沙華
   けふも手折りに来たわいな

   GONSYAN GONSYAN 何本か
   地には七本 血のやうに
   血のやうに
   ちゃうど あの児の年の数

   GONSYAN GONSYAN 気をつけな
   ひとつ摘んでも 日は真昼
   日は真昼
   ひとつあとからまたひらく

   GONSYAN GONSYAN 何故泣くろ
   何時まで取っても 曼珠沙華
   曼珠沙華
   恐や赫しや まだ七つ
   恐や赫しや まだ七つ 

北原白秋の「曼珠沙華」は声を出して読んでみると美しく響く。
曼珠沙華は白秋の故郷柳川の方言を使い民謡風に纏めた、どこか凄みがある不思議な詩でもある。
何故だろう、どういう背景があったのだろう、と以前から気になっていたが、答えが見つかりました。

                 「曼珠沙華」の秘密

曼珠沙華は堕胎薬として使われていたそうだ。
GONSYAN(良家のお嬢さま=柳川方言)は七年前に、曼珠沙華の毒で許されぬ子を堕ろし発狂したのだった。

白秋の他の詩と同様に、山田耕筰はこの詩にも曲を付けている。
そして、ただ綺麗に歌うだけではダメだ、と歌手に注文を付けたそうだ。
実際、往年の名テナー奥田良三が歌う「曼珠沙華」は、音程を外しかけた異様な絶唱である。

奥田良三は過去の人で、Youtubeでは見つからない。
代わりに鬼気迫る川口京子です。

                 「曼珠沙華(ひがんばな)

なお、写真は昨年、日高市内の高麗の里で撮りました。車と人でごった返す巾着田ではありません。
普段は純朴な日高市民は、曼珠沙華の毒が頭に回り、この花の季節には強欲になって、恥ずかしい。
やはり野におけ曼珠沙華、です。

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88歳日々発信

2011-09-23 | 拍手

埼玉県は奥秩父の旧荒川村にに、もう直ぐ89歳になる評判のブロガーがいる。
5期15年、元衆議院議員だったお婆さんで、議員時代は「野次将軍」と呼ばれたつわものだ。

11年前に引退したのを機に、名古屋から山里の古家に越してきて、5年前に夫君に先立たれ、以後ブログに向かうようになったそうだ。
今では老猫・来太郎を愛人にして、自然の移ろいや、一人暮らしの楽しみなどを投稿している。
ただ日々発信は、パソコンが不具合らしく、いらついたり、時々お休みしてます。

田中美智子さんのブログ「自然と猫と私

野田新首相に対する鋭い意見もあるが、気負ったところはなく、さらりと軽やかで嫌味がない。
不肖森生もこの大先輩のように、人の悪口は差し控え、素直に自然に老いて、好々爺になりたいと思う。

だがそのためには、あと50年は生きていないとなぁ........。
しかしそんなに生きてたらバケモノになるわぃ。
もはや死ななきゃ治らんのよ。

 

なおブログ「自然と猫と私」から随筆集が編まれている。
「今日はなん日、なん曜日?」と「まだ生きている」の2冊です。
新日本出版社(03・3423・8402)が出版していますよ。

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