【ブラジリア】ブラジル政府は、南アフリカで今週開催されるBRICS(ブラジル・ロシア、インド、中国、南ア
フリカ)首脳会合で各国首脳とともに国際通貨基金(IMF)や世界銀行に匹敵するような多国間機関の創設を推進
する見込みとなった、と事情に詳しいブラジル政府関係者は先週述べた。
BRICS首脳は南アフリカのダーバンでの年1回の会合において設立の意義について協議する見込みとなっている
。各国は、各中央銀行が拠出する最大1200億ドルの資金を必要性が生じたあらゆるBRICS国が活用するためのIMF
方式のような緊急準備金協定に合意する必要がある。「資金はあらかじめ定められた上限まで国を救済すること
を念頭に置いている」と同幹部は述べたが詳細にはふれていない。
各国首脳はまた、特定のプロジェクトに資金を融資する500億ドルの開発銀行を創設についてもこれを支持す
る見込み。
両機関ともIMFや世界銀行の代替として機能することを意図するもの。「IMFの統治は修復されていないという
のがわれわれの見解だ」と同高官は語った。
ブラジルはこれまで、IMFにおける統治改革の遅れについて批判してきた。
同高官はまた、BRICS国の多くはすでに世界銀行との資金枠が限度に近づいており、地元プロジェクト向け資
金を調達するために新しい開発銀行を必要としていると語った。
ダーバン後、こうした機関を実際に創設することをめぐる合意までには少なくともあと1年はかかる可能性が
あり、その業務開始は2015年以降になる、と同高官は述べた。
同高官はまた、ブラジルと中国はダーバンで通貨スワップ協定に調印し、各国が「決済システムがマヒするよ
うな危機」時に相互に融資することで合意する公算が大きいことを認めた。「こうした状況でも貿易を維持する
ことなどを念頭に置くもの」と同高官は語った。この合意は300億~600億規模となる可能性があり、即時施行と
なる、と同高官は述べた。
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