【ブリュッセル】（ダウ・ジョーンズ）欧州中央銀行（ECB）のコンスタンシオ副総裁は28日、経営難に陥った
銀行の整理を担当する新たな中央機関の設立を、単一銀行監督機関の設立が予定される2014年半ばに間に合わせ
るのは「非常に難しい」との見方を示した。
「（欧州）議会の権能がすでに終わりに近づいているため、それは非常に難しい。（14年半ばを目指した）取
り組みは続けているが、非常に困難なことだと認識している」と語った。
欧州連合（EU）加盟国の財務相は昨年12月、来年3月1日付でECBに域内の多くの銀行を監督する権限を付与し
、より広範な銀行同盟の構築に重要な第一歩を踏み出すことで合意した。欧州銀行同盟のもう1つの柱は、経営難
の銀行を整理する枠組みを創設することだ。
コンスタンシオ副総裁はこの日、そうした処理機関の必要性をあらためて強調し、設立は「膨大な額の」公的
資金を必要としないとの見方を繰り返した。
ただ、28日に合意が成立した新たな資本規則に基づき、ECBはそのような機構の創設前でも、各国当局の意向
に反して銀行の免許を取り消す権限がある、と副総裁は述べた。
「（欧州）理事会が承認した規制はECBに免許取り消しの権限が付与されることを盛り込んでいる、というの
がわれわれの解釈だ」と述べた。ただ、そうした措置を取るのは「もちろん、最後の手段としての決断に限る」
と強調した。
コンスタンシオ副総裁はまた、「われわれの場合、出口戦略は比較的容易なものとなろう」と語り、ECBによ
る特別危機対応策の解消は他の主要中央銀行ほど難しくないとの見方を示した。それは、ECBによるバランスシー
ト拡大のほとんどが資産買い取りではなく銀行への長期融資を通じて行われたからだ、と説明した。
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