ringoのつぶやき

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ピアノを製作する楽器職人は5年ごとのショパン・コンクールに合わせて(春秋)

2010年12月22日 08時30分10秒 | 音楽

2010/12/22, 日本経済新聞 朝刊, 1ページ,  , 535文字


 ピアノを製作する楽器職人は5年ごとのショパン・コンクールに合わせて、音づくりの技を競う。大作曲家の生誕二百年にあたる今年は、日本の音楽界にとって節目の年だったに違いない。大きな敗北と勝利を、一度に味わったからだ。



▼コンクール予選には日本から17人のピアニストが参加したが、一人も本選に残れなかった。アジア出身者は技巧には優れるが、2次、3次と選考が進むにつれて姿を消した。優勝者はロシアの新鋭ユリアンナ・アヴデーエワさん(25)だった。色彩感あふれる音色と、妖気すら漂う和音の響きが評価されたそうだ。



▼彼女が本番で弾いたピアノが、ヤマハの新製品「CFX」である。このコンクールでは演奏家が好きな楽器を自分で選ぶことができる。日本製が首位となったのは初めてだった。社内で「特器」と呼ばれる職人たちが、静岡の掛川工場で製作した一台だ。技術の粋を集めた手作りだから、値段は2千万円近くする。



▼日本の演奏家は敗退したが、日本の職人の技は勝ち残った。とはいえクラシック音楽の世界は保守的である。各国の有名ホールが保有するピアノは、ドイツのスタンウェイ製がほとんど。優れた技術や製品だけでは、市場に認められない。世界最高峰の競演会でつかんだ栄冠が、技術を売る知恵を問いかけ
ている


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