復元された東京駅 リニューアルオープン
JR東京駅丸の内側の赤れんが駅舎が1日、5年に及ぶ保存・復元工事を終えて全面開業し、1914年創建当初の重厚でレトロな外観が復活。
大きな話題になりました。
東京駅の丸の内駅舎はおよそ5年にわたる復元工事で、太平洋戦争末期の空襲で焼失したドーム型の屋根が復活するなど、大正3年に建築された当時の姿によみがえりました。
駅舎は、明治時代の建築界の第一人者、辰野金吾が設計した。「辰野式」と呼ばれる褐色の化粧れんがに白い花崗(かこう)岩を帯状に配したデザインとビクトリア調のドームが特徴。
東京駅丸の内駅舎は、1日から毎日日没から午後9時までライトアップ
開業前に行われたプロジェクション・マッピングなども話題になりました。
復元工費はおよそ500億円、JR東日本は“空中権”を売却し資金を調達
復元工事にはおよそ500億円かかりましたが、JR東日本は、この費用を使われなかった建物の容積率、いわゆる「空中権」を売って調達
JR東日本は2007年に保存・復元工事を開始。駅舎の空中権を周囲に移転、売却する方法で費用を捻出した。
建物の上の使わなかった空間を他の建物に移し、売却することができる権利で、JR東日本は東京駅の「空中権」を売ることで工事費を調達。一方、周りのビルは高層化することができた
“空中権”とは
2つの意味がある。
1.土地の上空の空間の一部を使用する権利
契約により設定する空間の上下の範囲を定めて土地を独占的に使用する権利をいい、その法的な形式によって「区分地上権」または「区分地上権に準ずる地役権」に分かれる。
2.未利用の容積率を移転する権利
都市計画で定められた容積率(建物の敷地面積に対する総床面積の割合)のうち、未使用のものを他の土地に移転する権利をいう。
今回はこちらの権利を活用しての資金調達でした。
空中権取引は、都市部の限られた空間を有効に活用する手段として、100年ほど前に米国で考案されたもの。
現在、東京都千代田区の一部が「大手町・丸の内・有楽町地区特例容積率適用地区」(116.7ha)として指定され、東京駅の駅舎敷地で未使用となっている容積率(東京駅は復元改修後、それ以上容積率を使用しないで保存される)を、その周辺の新築ビル(東京ビルディング、新丸ビル、丸の内パークビル、八重洲側の南北グラントウキョウビル等)に移転して、本来の容積率以上の高層ビル化を実現している
空中の権利って売れるんですね。
容積率は敷地に対してどれくらいの規模の建物を建てられるかを示すもので、復元された東京駅の駅舎は定められた容積率の20%ほどしか使われていません。使われなかった建物の容積率は「空中権」と呼ばれ、ほかの建物に移すことができる制度があり、他社に売却することもできます。JR東日本はこの制度を利用して東京駅の「空中権」をほかのビルに売却し、復元のための工事費およそ500億円を賄いました。
NHK7時のニュースで取り上げてましたが、「空中権」?何?それ。
土地が高く狭い都会だけに認められた権利で、しかもそれが商品になり、売買出来るんですねーー。
明日、新聞休館日じゃなかったら、日経の一面TOPでしたね。