リリアの『Buon appetito♪』

大航海時代online notosのリリア・ヴァルディがマッタリ気分で紡ぐブログ

セビリアの昼下がり・後編

2008-11-24 09:38:16 | 【りーすの『Tengo hambre』】
ととととと…リズミカルな包丁の音が響く。

リリア/ガーリックの下ごしらえしておいたよ。これぐらいでよかった?
クルル/うわ、相変わらず速いなぁ。ありがたく使わせていただきます。…ねね、リリー、このお魚「当たり」だよ。すっごく美味しそう♪
リリア/ホントだね~。「オマケ」でもらうものじゃないよね。今度魚屋のおじさんにお礼言っておかないと。
クルル/ありゃ。このトマト小さいなぁ…丸のままいっちゃおうかな?
リリア/ふふ。クルルにお任せします♪ あ、オリーブオイル、私も使う。

……

包丁の音に負けないくらい、料理中の二人も賑やかだ。

???/…料理って、もっと黙々とするものだと思ってた。

「美味しくなかったら帰る」と言った少女がカウンターに座ってリリアとクルルの料理の様子を見ている。

リリア/うーん。普通は静かに作るんじゃないかな。『無駄口叩く暇あったら手を動かせ』なんてどこの厨房でも言われてそうだし。
クルル/だね。リリーがそういうタイプじゃなくってよかったよ~。

確かにこの二人は賑やかに料理を作る。
でも、手さばきや段取りにまったく無駄が見当たらない。

???/…武術の演舞を見ているみたい…

少女のつぶやくような声はキッチンには届かない。
そして、初対面の彼女は知らない。リリアが調理の最高位「マイスター」の称号を持っていることを。

リリア/ん? ちゃちゃっと作っちゃうから待っててねっ♪

にこっと笑いかけるリリア。うん、と頷く少女。

別に怪我をしたわけでもなかったし、自分も考え事をしていた。本当におあいこ、だった。
見ず知らずの一行に付いてきてお昼ご飯、それも「試作品」になんて付き合う義理はないし、何度も帰ってしまおうと思った。
でも、メガネをかけた自分と同じくらいの年頃に見える女の子に、『にこっ』と笑いかけられると、どういうわけだか素直に待とうかと思えてしまう。

なんなのよ。わけわかんない。
見ず知らずの人にどうしてこうもフレンドリーなの?
…まあ…きらいじゃないけど。こういう雰囲気。


いつか自分達の店を持つ、という二人の夢を聞いている老マスターは、その『未来の店』に想いを巡らせているのか目を細めて「仕事」を見守り、
料理を作るのが楽しくてたまらない、という二人がキッチンで笑いあい、
賑やかだけど、どこか平和な時間がゆっくりと流れている。

…そして…

リリア/おまたせ~。
クルル/完成ですっ!

純白のテーブルクロスが広げられたテーブルには大皿が二つ。

「ほぉ…彩り鮮やかじゃな。本日のメニューを説明してくれんか」

リリア/んっと、今日は大皿料理2品です。こっちは秋の味覚、栗と豚肉のパエリヤ。珍しい取り合わせだけど、これがホントに美味しいの♪ もう一品はクルル、よろしくっ♪
クルル/オッケー。こちらの料理はスパニッシュ・マッケレル…戻り鰆のアクアパッツアです。新大陸産のトマトと新鮮なチャービルをあわせてみました。緑と赤い色で見た目も綺麗でしょー?

パエリヤのサフランの黄色とアクアパッツアの鮮やかなグリーンとトマトの赤。
昼下がりの食卓は花が咲いたように色づいた。

賑やかに取り分け、食事が始まった。
酒場のマスターと魚の旬について話すクルル。
主の作った食事を黙々と味わうハライ。

パエリヤのおこげも、炊き加減も申し分ない。なにより豚肉のうまみと栗の淡い甘さのみというシンプルさが後を引く。
クルルの用意したアクアパッツァは塩コショウで味付けした魚を焼いてから、他の具材と一緒にひたひたの水で煮込むという、こちらもシンプルなもの。
脂ののった白身魚にトマトの酸味。味付けを極力控えたために素材の味が際立っている。

「美味しくなかったら、帰る」そういっていた少女はこれまた黙々と食を進めていた。
美味しいとも、不味いとも反応がないのでクルルはかなりヒヤヒヤし、美味しくなかったのかなと不安が頭をもたげてしまう。

いたたまれず、リリアを見る。

(ね、ねぇリリー。大丈夫かなぁ?)
(だいじょぶ♪ 心配しないしない)

と、いつもの笑顔。

そして、あらかた食べ終わった頃に少し甘い何かが焼ける香り。

リリア/そろそろ焼きあがるかな~。クルル、お茶よろしく
クルル/…うん

大皿が下げられたテーブルに今度はデザートが登場。

リリア/今日は新大陸からの商船が入ったみたいで『バタタ(サツマイモ)』が手に入ったの。で、こんな焼き菓子を作ってみたんだ

オーブンから取り出したのは、いわゆるスイートポテト。

クルル/お茶はインド土産のダージリンのセカンドフラッシュ。美味しいよ~♪
リリア/甘めに作ったデザートだから、紅茶のお砂糖加減に気をつけてね

???/!

ぱくっと一口食べたときに少女の表情が初めて変った。

ぱくぱくぱく

明らかに、「止まらなくなって」いる。ヒットだ。

リリア/…どうだった?

一気に食べて、お茶を飲んでいる少女に問いかける。

???/…わるくない。美味しかった

素直に感想を漏らす。

リリア/よかった。あ、自己紹介がまだだったね。わたしはリリア。一緒に料理を作っていたのがクルル、荷物を持ってくれていたのがハライだよ
クルル/ふう、美味しくなかったかなって心配してたんだよ~
???/このお店の人?
リリア/ううん、いつもセビリアでキッチンを使わせてもらっているお店だけど、この方達のお店。私達は航海者なの

この店のマスターは、ほっほっほと笑いながら付け加える。

「リリアちゃんとクルルちゃんだったら、いつでもこの店を使ってもらっていいと言ってあるんじゃ。なに、いっそ店を継いでもらっても一向に構わんのだが、のぉ」
「ええ、二人とも考えてくれたかい?」

少しだけ本気の期待を込めて問いかける老夫婦だが…

リリア/ごめんなさい。まだまだ修行です(きっぱり

「むむ、残念じゃの。ま、気長に待つとするさ」

あえなく撃沈。
苦笑いの老夫婦に申し出のお礼を言ってから、リリアは今日の飛び入りゲストに向き直る。

リリア/今日は無理言って連れてきちゃったけど、美味しいって言ってくれて嬉しかった。
???/…リリア、もう気にしない。でも、料理は本当に美味しかった。…ごちそうさま。

恐らく、人にお礼を言うこと自体慣れていないのだろう。お礼の言葉を口にするときはかなり小声でそっぽを向いていた。

リリア/また、どこかで会えるといいね。そうそう、あなたの名前は?
???/…りーすりっと。りーす、でいい。
リリア/りーす、ね♪ 私のことは『リリー』でいいよ。よろしく、りーす。
りーす/う…うん

戸惑いながら、差し出された手を取るりーす。


ここはセビリアの酒場。

いつも航海者で溢れかえっている看板娘ロサリオのいる「酒場」ではない。
その少し先の路地を入ったところにある、名前もない小さな酒場。
航海者が情報を交換し合う酒場とは違うが、
この酒場で、ある運命的な「出会い」がやってくるのは、もう少し先のこと…


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と、裏キャラクターの名前が最後の最後で登場^^;

昨日のイスパ会議で本格デビュー(と言っても議長選挙に参加してきただけですがw)
ゆるゆると航海していきますので、よろしくお願いいたします。

セビリアの昼下がり

2008-11-16 11:31:38 | マッタリ大航海
セビリアの港近くの市場の片隅。

「おう、今日はもう売り切れだよ」
「もうちょっと早く来てくれればな~」

などと、早々と商品を完売して、店じまいの支度をしている声が飛び交う。

「え、今流行のアクセサリーですか? …私はそういうの詳しくなくって」

何かの調査以来だろうか。冒険者風の者の調べ物につき合わされる者もいる、そんないつもの昼下がり。

クルル/ここの市場はいつ来ても新鮮・品数豊富でいいよね~♪
リリア/うんうん、交易所のおじさんのところだと量が多くなっちゃうからね

楽しそうに市場で目をつけた地場の食材を抱える二人。
この「買い物タイム」は船員の休憩時間でもあり、
何もなければ夕方まで各々自由に「陸の生活」を謳歌できる。

最初のうちは市場の皆から「お遣いかい? えらいネェ」と勘違いされていたが、
今は馴染みの常連さんの一人だ。
買い物上手なのか、ついついオマケを付けられていつもとんでもない量の荷物になる。
そうなると、必然的に荷物持ちが必要になってくるわけで…

ハライ/…マスター、今日はこのまま船に?

と、男手が借り出される。とは言っても、寡黙なハライも買い物の付き合いがイヤではないらしく、
よく観察すると結構楽しそうに付いてまわっている。

リリア/あ、今日は酒場に寄ってから船に…

ぼすん

ハライの方をむいて、答えた瞬間、リリアに何か柔らかいものがぶつかってきた。

リリア/うわわわわっ!
クルル/え? どした…

不意を衝かれてぺたんと尻餅。荷物が…と思うのと、ぶつかってきたものの正体が分かったのが同時。
迷わず、荷物を放棄して、ぶつかってきた本体を確保。

ハライ/!! マスター…!

驚異的な反応で一回転した買い物袋をキャッチしてリリアの様子を案じるハライ。
盗賊という職業とはいえ、只者じゃない。

リリアに抱えられるように「確保」されたのは小さな女の子。
…リリアと同じくらいの背丈だが。



リリア/ごめん! よそ見してた。…大丈夫?
???/…う…
リリア/怪我とかしてない?
???/…平気。こっちもボーっとしてた。おあいこ。

ぶつかってきた少女が立ち上がり、軽く会釈して立ち去ろうとした矢先。

ぐ~~~~…

万国共通、お腹が空いたのサイン。
そんなに大きな音ではなかったが、リリア達にははっきりと聞こえてしまった音。

???/う…じ、じゃ…
リリア/ね、これから試作料理作るんだけど、よかったらお詫びってことで試食付き合ってくれない?
???/行かないってう選択肢、腕を掴まれてるとない気がする。
リリア/食後のデザートも付けるから♪
クルル/甘いもので釣るのはズルイよ、リリー。

苦笑いのクルル。
何か言いかけた娘だったが、ふぅ、とため息一つ。

???/…いいわ、美味しくなかったらすぐ帰るけど
リリア/よし、決定! さ、行こう!!


お昼ごはんには少し遅めの、ゆったりとした時間。
セビリアの「お昼」はまだまだ終わらない。


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…と、こんな感じで新キャラクター登場ですw
こんにちわ、リリアです^^

名前が「???」の新キャラ。
このコはリリアのいわゆる「裏」です。

所属はイスパ。
交易やイベント…何もかもが「初めて」です。
リリアのブログに間借りしつつ、二人目の冒険開始です♪
イスパの皆様、よろしくです(ぺこり

「???」では何者か分からないので、
名前を出す場面を引き続いて書いてます

今日のところは、この辺りで☆

聞こえるかい?

2008-11-06 22:58:44 | 音楽♪
聞こえるかい?

扉を叩く音



まさかまさか、最前列とは!
リリア、ライヴに行ってきました。

てっきり2列目と思っていた「SB列」は、なんと最前列!!
大満足、でした(^-^)b
いつもと少し違う雰囲気のカキコで、今夜は失礼いたします♪



聞こえるかい

君が扉を開く音