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私見|誤解を招くようなタイトルになっていないのか?

2019-02-09 | 知財経営&知財ビジネス
2011年、特許庁から中小企業支援の一環として『知的財産経営プランニングブック』が発行された。拝読すると、その趣旨や目的などに、共感するところが実に色々とある。しかし、どうもスッキリしないのも本当の気持ちである。というのは、第一に、内容からいえば、やはり「知財」というより、「特許」に重点が置かれた中身ではないか。ならば、『特許経営プランニングブック』というタイトルのほうが適切ではないか。

このように感じてしまうのは私だけだろうか。日本における「企業知財戦略」思考の問題点の一つとして、「知財戦略ではなく特許戦略に止まっている点である。今日でも、知財戦略に関する議論、書籍、セミナー、論文等の中で、知財戦略を表現しながらも、実際は特許権を中心とした「特許」戦略研究が非常に多く、「知財」戦略研究は少ない。特許権、著作権、商標権、営業秘密など、多様な知的財産には共通点もあるが、やはり経営的に言えば相違点の方が大事である。」(2016年10月26日、本Blog。2014年、拙稿「日本企業における知財戦略の在り方について〜経営学及び実学的なアプローチから」でも指摘)

実質的に「特許戦略」とか「特許経営」とか、というような内容がメインなのに、「知財戦略」とか「知財経営」というようなタイトルにしてしまうと、特許以外の知財を無意識に無視というか、軽視というようなことになってしまわないか、中小企業に限らず読者としての経営関係者に対し誤解を与えないか、そして、真の知財経営の本格化や、国内だけでもまたはグローバル的に考えても、競争に勝ち抜いていくことに資していけるのか。

第二に、『知財経営プランニング』の中で、知財経営について、「知的財産活動を企業活動に取り入れて、企業が保有する知的財産を有効に活用する経営形態」と定義されており、そこでいう「知的財産活動」とは「産業財産権の出願から・・・」とも述べられている。しかし、筆者に言わせてもらえば、産業財産権の出願からではなく、経営の重要な部分に該当する技術の戦略的な開発からでないと、いわば「死の谷」を越えられるような開発にも、戦略的な出願にもつながらず、真の「知財経営」にはならない、と指摘しなければならない。

時々思うが、もともと「知財」と「経営」とは別々の異なる概念であり、こういう意味で、仮に「知財」と「経営」という二つの山が存在するとしよう。知財経営(知財戦略)という一つの言葉で用いられる場合、国レベルや業界レベルにおいてどのように考えるべきかは別として、企業レベルにおいていえば、知財経営というときは、知財という山に立って経営について言おう、ではなく、経営という山に立って知財について言うべき、と思うが、如何だろうか。

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