吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

携帯型空間除菌グッズの怪 その5

2014年05月14日 05時56分45秒 | インポート

 おそらくこの除菌を目的とした首かけ式の「携帯型空間除菌グッズ」はグッズから発生した塩素エアロゾル自体に除菌効果があると考えられる。しかしそれが実際、感染予防効果を表わすためには一定時間空間に留まっていることが条件になる。ところがそんなものはちょっと歩いたり風が吹いたりしてしまえばエアロゾルなどは拡散し効能などなくなってしまうはずである。前述の空気感染の理論からすれば簡単である。一方部屋に「据え置き型の空間除菌グッズ」であるが、「携帯型」よりも効能がありそうであるもののこれも疑わしい。前述のとおり「換気されていない閉鎖空間」であれば塩素エアロゾルも停滞するので効能はあるかもしれない。しかし通常これを据え置く閉鎖空間とはたぶん自宅の一室なのであろうが、人に悪影響を及ぼす感染源が一般家庭の一室に通年で浮遊し存在しているとは考えにくい。もし万が一空気感染する病原菌が部屋の中にいたとしても、窓を1回あけて換気すれば済むことである。結局、据え置く必要のない場所に設置しても意味がない。またこの「据え置き型」でも効力を発するまでには相当濃度の高い塩素エアロゾルが必要とされる。したがって濃度がすぐに下がるためドアの開け閉めはほとんどしてはいけないことになる。これでは「除菌効果はある」とは言っても、居室など実際の使用環境下での効能は期待できないことになる。<o:p></o:p> 


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