吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

救急搬送 その3

2016年06月02日 06時07分41秒 | 日記
 まあ、帰宅直後に倒れて救急病院に搬送された場合、既往歴や投薬内容の確認がその病院からあるのでその時点で「ああ、見落とした」ということがわかる。
 今までそのような情報確認が救急病院からなされたことはないので結果的には重大疾患の見落としはないであろうと想像できるのである。
 見落とをしたら生命危機に陥る疾患の来院頻度は決して高くはないが、もし見落としたら言い訳はできない。

 もちろんこちらから紹介する時は確診ではなく疑診なので、もしかしたら実は軽症である可能性もあり、搬送先の病院で
「また吉田クリニックかよ~、いつも重症といいながら軽症でたいしたことないの送ってくるなぁ~」
と言われていることも想像できる。

 はい分かります、その気持ち。自分が大学病院の救命センターに勤務していた時は紹介患者で、ほとんど帰宅させられるような軽症患者が時に「重症」と称し紹介搬送されてきて、いつも「そう」思ったものですから。
 いやはや開業して大きな検査機器がないと自分の勘だけがたより・・・。
 Over triage(軽症を重症の状態と過大に評価してしまうこと)になっても勘弁ねー。

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2 コメント

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我が家の場合 (4344)
2016-06-02 13:30:58
90歳を過ぎた父親は、掛かりつけの内科医に行って「胸が痛い」と告げたら、狭心症の疑いありとの紹介状を持たされ、そのままタクシーで大手の病院に送られて、その場の検査では特に異常が認められなかったので、心拍数を計測する装置を取り付けられ、1週間後に検査結果の確認で通院した時に、機器を外した看護師さんのひとことから、帯状発疹であることが判明しました。
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カキコ有難うございます (吉田クリニック)
2016-06-02 16:05:59
帯状疱疹の診断はやっかいですね。初期には痛み(それも結構ひどい痛み)のみで皮疹は出ません。帯状疱疹で頭部ならくも膜下出血と、胸部なら心筋梗塞と同様の症状です。そして数日後から1週間後に特徴的な片側性の皮疹が出るので「あとから診た」ほうが名医になれます。昔、足の痛みで2週間後に皮疹が出て本疾患と診断され、初診医の自分は完全に「藪医者」になりました。とほほ。
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