吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

自転車事故の顛末(創処置) その6

2012年10月01日 06時49分41秒 | インポート

 実は数年前、この閉鎖療法に関する講演会が医師会であった。新進気鋭の中堅どころの医師の講演であった。このぐらいの年代の医師は確かに時代の最先端を担っている。医学的に、また理論的に間違っていることは言っていない(と思う)。それはわかる。しかし最先端の医療がイコール「絶対、今すぐ現場でもやるべきこと」であると勘違いしていることに若さが見られる。医療経済は無尽蔵ではない。今の保険診療の枠組みの中で、医療材料費が余りにも高ければ赤字となるため現場では使いづらいのである。その講演した医師は従来のconventionalな消毒、ガーゼ被覆の治療法を、まるで魔女狩りのように徹底的に糾弾していた。「明治時代から続いている間違ったやり方である。今後ガーゼは撲滅すべきである」とまで過激に言っていた。自分が外来でやっている方法を頭ごなしに「忌み嫌うべき方法」というニュアンスで否定されたらいい気持ちはしない。確かに医学的には正しいのであろうが、そこまで過激に言うならこの高い被覆材料を保険点数請求できるように医療行政までも動かす努力をあなたがしなさいといいたい。そうでないと信用されないと思うのだが・・・。医療はタダじゃないのである。


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