吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

無理難題 その5

2021年05月14日 05時50分02秒 | 日記
 最近少しずつ子宮頸がんワクチン接種に訪れる女子も増えたが、まだまだ子宮頸がん死の改善は望めていない。
 今回のコロナワクチンも深刻である。高齢の患者さんのなかには外来で「私は持病がいろいろありますが打てるんでしょうか?」と聞いてくる人がかなりいる。基本的に持病があるから打ってはいけないというものはない。過去に死にそうなアレルギー反応をワクチンで起こした人や、現在発熱のある人くらいはやめたほうがよい。せいぜいそのくらいである。
 接種に及び腰になっている人が多いのは皆、事前報道のせいである。今回のパンデミックは国難である。世界では1日何千人単位で毎日死亡している国もある。日本においても1日何十人も死亡するという状況は近年にはありえない「人類滅亡的疾患」である。
 この死亡率を下げられるワクチンを捕まえて、10万~20万人に一人の割合で発症するかもしれないアナフィラキシーショックを針小棒大に報道したなら皆しり込みする。
 たまさか亜急性期の副反応でも、痛い、辛いはあるかもしれないがそれで死ぬほどではない。また長期的な遺伝子に及ぼす影響もmRNAワクチンでは起こりえないということである。万が一遺伝子に影響が起こるかもしれないとしても現在進行形で国民の人口がどんどん減っていくのを看過するよりましである。
 この10万人ひとりのアナフィラキシーの確率は、飛行機事故で亡くなる確率と同じである。それならばなぜメディアは航空機の危険性を報道しないのか? ワクチンで10万人にひとりが死んだら「厚労省! ワクチンの安全性の管理ができていない、責任取れ」と騒ぐだろうが、飛行機事故では事故の報道はするが、「運輸省! 責任取れ」とは言わない。この差は何なの?
 いずれにせよ何だか「ワクチン副反応は怖い」とメディアによって洗脳された市民の突き上げにより厚労省がワクチン行政に及び腰になっていると考えたなら、メディアの罪はとても重い。