吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

子宮頸がんワクチン その1

2015年10月27日 06時41分57秒 | 日記
 一時期、子宮頸がんワクチンの副反応といわれるけいれん発作の出現で、最近ではこのワクチンを受けに来る方はほとんどいなくなった。最近、また行政の検討会でその因果関係が議論されたらしいが、いまだにこのワクチンが原因であるという科学的な根拠はないとの結論である。一般的にいってワクチンで予防できる疾患(VPD)であるならワクチンを接種することは健康面でも社会経済面でも、将来的な医療経済面でもいいことなのである。しかしこの副反応(副作用ではなく副反応である。この二つは意味が異なる)にて、厚労省の態度は積極的ワクチン接種を勧奨しないというところである。この方針は今も変わりない所である。しかし実際副反応というより「副作用」であると信じて疑わない当該女児の親御さんたちは、もちろん「絶対にワクチンが悪者」と信じて疑わないのであろうし、なおも「積極的接種勧奨を控えるでは手ぬるい。接種禁止、ワクチン製造中止」まで望んでいることであろう。
注) 副反応:ワクチン接種後に発生した有害事象のすべてをさす(ワクチンとの因果関係の有無は問わない)  
   副作用: その薬剤がもたらす人体にとって本来望まれない作用。多くは有害なものの意味として使われるが、時には副作用を有効利用することもある(例:蕁麻疹時の抗ヒスタミン剤は眠くなるという「副作用」があるので、眠前服用にて本来の鎮痒効能である「主作用」と併せ、眠くなる「副作用」をもってして安眠効果が期待できる)