吉田クリニック 院長のドタバタ日記

日頃の診療にまつわることや、お知らせ、そして世の中の出来事について思うところ書いています。診療日には毎日更新しています。

脱法ドラック その5

2014年07月24日 05時36分43秒 | インポート

   最近、知らない間に「車の運転禁止」という一文が入った薬がどんどん増えてきている。こちらとしては病気の診断や検査の説明や日常の暮らしの注意をしたうえで、なおかつ処方する際には必ず「車運転しますか?」などと聞かなければならない。昔とくらべてずいぶん大変になったのは説明に要する時間が長くなったことである。これをしないと「説明義務違反」などといわれることになる。患者さんによっては一度話せば理解される方もいるが、高齢の方の場合は難聴であったり、ご理解を頂けなかったりで一度の説明では無理なことも多い。診療時間の半分以上を説明だけにかけていることも結構あるのだ。こうなると薬を処方する場合、薬の効果は劣っても、車の運転制限などない薬剤を選んで処方するほうが楽なのである。日常生活に禁止項目が加えられてきた原因をたどると、使用者の不適切な用法、用量に端を発していることもあるのはすでに述べた。そうであるとしたらこの「不適切服用」という行為は社会的に罪が重いのである。それにより正当な便宜を享受していた患者さんたちが有形無形で不利益を被ることになる。脱法ドラッグではないが、特に医薬品の不適切使用者は、狂言目的でも後追い的模倣犯であっても、社会的に多大な不利益をもたらしているのであるから厳罰に処するべきである。<o:p></o:p>