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私の日常臨床 63

2022-12-20 08:07:24 | Weblog

今回の症例は初診時68歳女性
主訴が右下の歯の痛みと腫れが治らないことが主訴。
他院にて治療をずっと行っているが、痛みが全く治まらないことに悩み
親類の歯科医に相談したところ当院の受診をすすめられたとのこと。

歯科既往は、当初右下6は根破折を起こしていたため、
インプラント補綴を行う前提で抜歯処置を受けたとのこと。
抜歯後、基本治療を受けていた期間に、
同側の4に痛みと同部歯肉の腫れが起こり、抗生剤の服用などを行っていたが
中々治まらないとのこと。
当院での所見では、右下4は動揺1以上あり、打診痛などもみられた。

まず我々が考えなければならない点は、右下6がなぜ根破折に至ったかの原因である。
そして4の症状と所見から、関連する事項であることをまず疑うべきである。
そこで当院では、当院の通法でおこなっている診査診断を行い
根本的な問題点を見つけ、即日その問題に対処を行った。
その後、4や他の歯への処置を行い、正常咬合での顎機能や咬合位の状態安定確認後、
最低限の必要箇所に最終的な修復・補綴処置を行った。

本症例のように保存不可能な歯があった場合、
欠損補綴を何で行い、そのための前処置(歯周治療を含めた基本治療)を行っていくことは
断片的な処置であり、根本的な問題解決にはなっていない。
原因除去あっての治療であり、根破折があるので抜歯するということが原因除去ではない。
本症例の場合は、違う問題から右下6や4に症状が起こっている。
大元の原因を解決しない限り、どのような修復補綴治療を行っても
必ず同じこと、もしくはそれ以上の問題が発生すると考える。
本症例、どのような問題(原因)があったか、分かる歯科医には提示する写真だけで大体は推察できるであろう。

 


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