バイオの故里から

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ヒト腸内フローラ構成菌の定量的PCR検出法の確立および菌属・菌種分布の解析

2007年12月29日 | 医療 医薬 健康
松木 隆広(ヤクルト中央研究所基礎研究II部)
日本細菌学雑誌 Vol. 62 (2007) , No. 2 pp.255-261

ヒトの腸管内には多種多様な細菌が在住し, 複雑な微生物生態系 (腸内フローラ) が形成されている。この腸内フローラの構成菌の解析は, 主に培養法により行われてきたが, すべての菌株を培養できないこと, 従来の分類・同定法は正確性に欠けること, 多大な労力と時間・熟練を要すること, などの問題点があった。そこで本研究では, 腸内フローラ構成菌の同定・検出のために, 16S rRNA遺伝子を標的とした菌属・菌種特異的プライマーを作製した。さらにReal-time PCR法と組み合わせることによって, 標的菌の分布を健常成人について調べた。その結果, 菌属レベルの解析ではClostridium coccoides groupやClostridium leptum subgroupがヒト腸内フローラの最優勢菌であることが明らかとなった。また, Bifidobacterium に注目した菌種レベルの解析では, 最優勢の菌種がこれまで培養法で報告されていたものとは異なることや, 乳児に特徴的な菌種が成人にも分布していることなどが明らかとなった。 J-Stage >>JOI JST.JSTAGE/jsb/62.255 



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