バイオの故里から

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生殖腺の性分化に関与する転写因子と細胞増殖因子

2007年08月07日 | 創薬 生化学 薬理学


研究者 諸橋憲一郎
 所属: 岡崎国立共同研究機構基礎生物学研究所

研究実施機関 岡崎国立共同研究機構基礎生物学研究所

報告概要 遺伝的性決定の後に進行するのが生殖腺の性分化であり,性ホルモンの作用を通じ,個体の性分化を支配している。遺伝的性がいかなるメカニズムのもとに生殖腺の性決定を支配しているのであろうか。生殖腺の分化に異常をきたす疾患の原因遺伝子の解明からSRY,WT-1,SOX-9,DAX-1などのDNA結合因子が性腺の分化には不可欠であることが明らかにされてきた。ノックアウトマウスの解析からもWT-1,Ad4BP/SF-1,Emx-2,M33やLhx-9などの多くの転写因子の関与が示されている。最近,生殖腺の発生過程においてWnt4とFGF9の重要性が,遺伝子破壊マウスの表現型から明らかになった。これらのマウスでは生殖腺の性分化が揺らぐ結果となっており,Wnt4やFGF9発現の性差が示唆される。現在のところWnt4とFGF9からの転写調節は(図1)のように考えることが可能である。生殖腺形成過程での細胞増殖因子の機能が転写調節へとつながり,生殖腺分化を支える分子メカニズムの詳細が明らかになってゆくものと期待される。J-Store >> 研究報告コード R013000248

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