バイオの故里から

バイオ塾主宰・Dr.Kawanoの日々、収集している情報(DB原稿)をバイオ塾メンバー向けて公開しています。

微生物によるキシリトールの生産

2005年09月16日 | 菌類 細菌
 天然に存在する糖アルコールであるキシリトールの需要は今後増加することが予想される。キシリトールは、蔗糖よりもカロリーが低く、蔗糖に匹敵する甘味を呈するため低カロリー甘味料として将来有望である。加えて、抗う蝕性を有しており、虫歯予防甘味料として利用されている。さらに、キシリトールは血糖値を上昇させないため、糖尿病治療の際の輸液として利用されている。そのためキシリトールの需要は今後増加することが予想される。

出願番号 : 特許出願平11-12223 出願日 : 1999年1月20日
公開番号 : 特許公開2000-210095 公開日 : 2000年8月2日
出願人 : 味の素株式会社 発明者 : 竹内 園子 外2名

発明の名称 : キシリト―ル又はD―キシルロ―スの製造法

【課題】 グルコースから直接発酵によりキシリトール又はD-キシルロースを製造する方法を提供する。
【解決手段】 グルコノバクター属、アセトバクター属又はフラテウリア属に属し、グルコースからキシリトール又はD-キシルロースを生産する能力を有する微生物を好適な培地に培養し、該培地中にキシリトール又はD-キシルロースを蓄積させ、該培地からキシリトール又はD-キシルロースを採取することにより、キシリトール又はD-キシルロースを製造する。
<コメント>
 植物起源の繊維質に絡んだ多糖質キシランの加水分解で得られる「キシロース」を化学的に処理して水素添加反応で「キシリトール」に変換する方法が使われている。この発明をきっかけに、ブドウ糖から微生物によって代謝蓄積で「キシリトール」を製造する方法が確立することになる。
 これ以前に、味の素社は澱粉→ブドウ糖→アラビトール→キシリトールの微生物を応用した無化学プロセスでの生産にも成功している。

出願番号 : 特許出願平11-10292 出願日 : 1999年1月19日
公開番号 : 特許公開2000-201690 公開日 : 2000年7月25日
出願人 : 味の素株式会社 発明者 : 森 妹子 外1名

発明の名称 : キシリト―ルの製造法

【課題】 D-アラビトールを原料としてキシリトールを製造する方法であって、かつ、プロセスが単純な同製造法を提供する。
【解決手段】 バチルス・サブチリス、バチルス・メガテリウム、プロテウス・レットゲリ、セラチア・マルセッセンス、コリネバクテリウム・カルナエ、ブレビバクテリウム・アンモニアゲネス、フラボバクテリウム・アウランティナム、フラボバクテリウム・レナヌム、シュードモナス・バディオファシエンス、シュードモナス・クロロラフィス、シュードモナス・イネルス、ロドコッカス・ロドクロス、ロドコッカス・Sp.ATCC15592またはロドコッカス・Sp.ATCC19070をD-アラビトールに作用させ、生成するキシリトールを採取する。


出願番号 : 特許出願平10-258962 出願日 : 1998年9月11日
公開番号 : 特許公開平11-266889 公開日 : 1999年10月5日
出願人 : 味の素株式会社 発明者 : 杉山 雅一 外4名

発明の名称 : キシリトールの製造法

【課題】 D-アラビトールを原料としてキシリトールを製造する方法であって、かつ、プロセスが単純な同製造法を提供する。
【解決手段】 グルコノバクター属、アセトバクター属、アクロモバクター属、アグロバクテリウム属、アルスロバクター属、アゾトバクター属、ブレビバクテリウム属、コリネバクテリウム属、エルビニア属、フラボバクテリウム属、ミクロコッカス属、ノカルディア属、プラノコッカス属、シュードモナス属、ロドコッカス属、モルガネラ属、アクチノマドゥラ属、アクチノマイセス属またはストレプトマイセス属に属し、D-アラビトールをキシリトールに変換する能力を持つ微生物をD-アラビトールに作用させ、生成するキシリトールを採取することを特徴とするキシリトールの製造法を提供する。

出願番号 : 特許出願平10-1165 出願日 : 1998年1月6日
公開番号 : 特許公開平11-192095 公開日 : 1999年7月21日
出願人 : 株式会社ジュン・インターナショナル 外1名 発明者 : 松村 正利 外3名

発明の名称 : キシリトールの生産方法

【課題】 キシロースからのキシリトールの効率的な生物学的な生産方法を提供する。
【解決手段】 キシリトール生産能を有する微生物を、キシロースの存在下において、微好気性条件下(0.1~1ppmの溶存酸素濃度)で培養を行う工程を包含する方法によって、キシロースからキシリトールを生産する。溶存酸素濃度をファジー制御することが好ましい。

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