横浜市立大学大学院医学研究科の梁明秀教授らのグループは16日、がん細胞を生み出すもとになるがん幹細胞をヒトiPS細胞(万能細胞)から作り出すことに成功したと発表した。人工的に作り出したがん幹細胞は、簡便な手法で培養して増やすことができるという。さまざまな薬剤を与えた時の反応を調べることで、がん幹細胞を攻撃する薬剤の開発などに貢献すると期待される。
ヒトの乳腺上皮細胞をもとに、山中伸弥京都大学教授が開発した手法を使い4種類の遺伝子を導入してiPS細胞を作った後、がん幹細胞に分化させた。作製したがん幹細胞を、病原を排除する生体機構を持たない免疫不全マウスに移植すると、複数の種類のがん細胞が混在したがん組織の形成を確認した。日刊工業新聞(online) 2013年01月17日