日本の研究 > 2016年5月23日の記事 > プレスリリース
京都大学
有害事象ビッグデータから副作用の分子メカニズムを解明
-統合失調症治療薬が起こす高血糖はビタミンDで防止できる-
金子周司 研究成果最適展開支援プログラム 科学研究費助成事業 厚生労働省
京都大学・薬学研究科(研究院)・教授 - 2015年度(平成27年度)
研究分野 基礎医学 境界医学 薬学 健康安全確保総合研究分野 科学教育・教育工学
キーワード 依存性薬物 中枢神経変性疾患 テキストマイニング 覚醒剤精神病 オントロジー
医薬品の有害事象(副作用)の発生メカニズムはごく一部しか明らかになっていません。本研究では、患者さんで実際に起きた有害事象の事例を蓄積したビッグデータを解析し、非定型統合失調症治療薬で起こる高血糖を軽減することができる併用薬としてビタミン D を見出し、それを動物実験で確認しました。さらにその分子メカニズムを遺伝子発現データベースや生体シグナル伝達マップを用いて PI3K という酵素であると推定し、再び動物や細胞を用いて実証しました。このような「リバース・トランスレーショナルリサーチ」は、薬学領域における新しい研究手法として今後の展開が期待できます。
https://research-er.jp/articles/view/46607