「小僧を押さえていろ」と、ウォルターに云う。
ウォルターはリチャードを捕まえ、腕固めでおさえた。
ウィリアムは片腕でアリエナを固定させたまま、空いた手で彼女のからだをまさぐった。
乳房を下から持ち上げながら揉みしだき、小さな乳首をつまむ。その手を腹部へおろし、恥毛の三角地帯へと這わせる。
そこは彼女の毛髪とおなじく、縮れ、ふささと茂っている。
彼の指が荒々しく分け入る。アリエナは泣きだした。ウィリアムの男根はいまにも破裂せんばかりに弩張している。
ウィリアムはうしろに退り、片脚を長く伸ばして、アリエナをその上に引き倒した。
彼女は仰向けにひっくり返った。倒れた拍子に息がつまり、はげしく喘ぐ。
ウィリアムとしても、ここまでやるつもりがあったわけではない。どうしてこんなことになったのか、自分でも定かではないが、もはやここまできたら制止がきかなくなっていた。
彼は自分のチュニックの裾をまくり、男根をあらわにした。アリエナは恐怖の色をうかべた。
屹立した男根を見るのは、はじめてだったのだろう。まぎれもない処女だったのだ。
「小僧をここに連れてこい」ウィリアムはウォルターに命じた。「そやつにとっくりと見物させてやろう」わけもなく、リチャードの眼の前でおこなうことが、ひどく刺激的であるように思われた。
ウォルターはリチャードを前へ押しやり、押さえつけて膝をつかせた。
ウィリアムは片膝をつき、アリエナの脚を開かせようとした。彼女は抗った。
ウィリアムは彼女の上にのしかかり、押しつぶしてでも従わせようとするが、彼女は抵抗をやめない。彼女の中に押し入ることなど、できそうもなかった。ウィリアムはいらだった。
これではまるきり興醒めだ。片肘をついて身を浮かせ、拳固で彼女の顔面を殴りつけた。
アリエナは叫び声をあげ、頬が怒りで紅潮する。が、彼が押し入ろうとすると、また激しく暴れた。ウォルターに手伝わせたいが、向こうは少年を押さえつけている。
ふいに名案がうかんだ。
「ウォルター、小僧の耳を切れ」
アリエナが静かになった。「やめて!」かすれた声でいう。「弟に手をかけないで・・これ以上傷つけないで」
「それなら、脚を開け」とウィリアム。
彼女は大きな眼でウィリアムを睨んだ。恐ろしい選択を迫られて迷っている。
その苦悩の表情が、ウィリアムにはまたたまらない。ゲームのつぼを心得ているウォルターは、短剣を抜き、リチャードの右耳にあてた。一呼吸おいてから、ほとんど優しいといってもいい手つきで、少年の耳朶をそぎ落とした。
リチャードが絶叫した。傷口から鮮血が噴き出す。切り落とされた肉片は、波打つアリエナの胸のうえに落ちた。
「いやっ!」彼女は叫んだ。「わかった。云う通りにするわ」そして、脚を開いた。
ウィリアムは掌にツバをつけ、そのぬめりを彼女の股のあいだに擦りつけた。指を差し入れる。アリエナは痛さに叫んだ。それがウィリアムの興奮をいっそう掻き立てる。彼はアリエナの上に身を沈めた。彼女は身を固くして、じっとしている。眼をつぶった。
からだは暴れたために汗でぬめぬめしていたが、寒さに襲われたように震えている。
ウィリアムは体位をととのえ、そこで動きを止めた。この先への期待と彼女の恐怖を思うと、ゾクゾクする。彼はそばの二人に見やった。リチャードは恐ろしげに、ウォルターは欲望をむきだして、二人ともじっと見入っている。
ウィリアムはいった。「次はお前の番だ、ウォルター」アリエナが絶望の呻きをもらす。
いきなり、荒々しく彼女のなかに押し入っていった。深く入ろうとして、処女膜の抵抗を感じ・・まちがいなく生娘だった!・・激しく衝きを入れた。
ウィリアムも痛みを感じたが、アリエナの痛みはもっと強烈だったはずだ。彼女は絶叫した。その顔からみるみる血の気が退いてゆき、頭が力なく垂れ、彼女は気を失った。その時になって、ウィリアムは哄笑しながら精をほとばしらせた。そして、すべてを吐き出しつくすまで、征服の歓喜に酔って笑いつづけていた。
※ NHKでこのKen Follettの「大聖堂」が放映されるが
上記のシーンはないとは思うが今から楽しみだ。
序章)
1120年11月25日の夜、ドーヴァー海峡をイングランドに向けて出港した
「ホワイト・シップ」は、バルフルール沖合で沈没した。
生存者は1名のみ・・・・船は当時の造船技術の粋をつくした、海洋交通の最新型で
あった。この遭難事故が世に名高いのは、多数の貴人がこれに乗船していたためである。
国王の世継ぎ、二人の庶出の王子、数人の封建諸侯、それに宮廷人たち。
その歴史的意味は、この事故によって、ヘンリー王が正統の継承者を失った事にある。
その結果、ヘンリー王の死後、王位継承をめぐっての争いと、戦乱の時代が、幕を開く
ことになったのである。
