アルザスと倉敷とアフリカそして日本の将来

2008-04-27 08:22:43 | Weblog
こんにちは、うちのおばはんが忙しくなっちゃって、毎日おばはんを叩き起こす目覚まし時計の仕事を仰せつかっている暇なマリーで~す。

もう全然あたしの出る幕なんてなかったの。うちのおばはん、よっぽどくたびれちゃっているみたいで仕事から帰ってくると、殆ど食べて寝るだけで他のことが何もできないの。

さすがにこれはちょっと駄目だって思い始めて頭を使ってみたのよね。それで今のお仕事は結局来月いっぱいでおしまいにするんですって。ダイエットにはいいけど、それだけ足の方の負担もかかっているんだから、多分そのほうがいいんじゃないのかな、まだこれから先のことだって考えなきゃならないのよね、あの人。

そんなわけでやっと少しゆとりが出来てきて、あの人もまた聖歌隊に歌いにいったり、本を読み始めたりしてるわ。それでもって、ちょっと面白い話があったわけよ。
つい最近、四谷の新宿側のほうに、桜美林大学の四谷キャンパスが出来たの。うちのおばはんが桜美林大学の名前を見て思い出すことといったら、今は亡き日本の本当にえらい栄養学者だった川島四郎先生や、お弟子さんの岸田袈裟先生のお名前と、この大学がキリスト教系の大学だっていうことくらいだったのよね。

ところがね、二、三日前に図書館で“ジャガイモの世界史-歴史を動かした「貧者のパン」”伊藤章冶著(中公新書)って本を見つけて借りて読んでたのね。そしたらその中に桜美林大学が出来たきっかけの話が出てたんですって。

ジャガイモって今は世界中に広まっているけれど案外新しい食べ物なのよね。そのジャガイモの品種改良普及でも知られている、牧師さんで教育家の、アルザスのジャン・フレデリック・オベリンっていう人がいたの。

今の日本もすごく食料自給率が低いから、ひとつ間違えると大変なことになりかねないんだけど、昔々は飢饉なんてざらにあって、たくさんの人たちは餓死している歴史があるんだって、おばはんも言ってたわ。

でもって、一般の人たちは毎日の生活に手一杯でその先のことにまでなかなか手がとどかないんだけど、世の中には時々、とても先見の明のあるえらい人も現れてくるみたいなの。その一人が岡山の倉敷紡績の大原孫三郎っていう人だったの。

この方はクリスチャンだったんだけど、自分の受け継いだ会社の従業員の生活の実態を見て、これは何とかしなくてはいけないって思って、いろいろな改善をしたの。この大原さんがつくったのが大原美術館よ。そして、自分の力だけではとてもどうしようもないからって、暉峻(てるおか)義等っていう人に協力を頼んで、倉敷労働科学研究所が出来たの。今は四国の松山にしか残っていない労研饅頭(まんとう)もこの
研究所で、給食の改善を考えて作り出されたものだったんですってよ。

そんな大原孫三郎さんが当時の中国に視察に出かけた時にそこでスラム街の孤児達の世話をしていた清水安三っていう人に出会ったって言うわけ。で、大原さんは清水さんが気に入って、この人がアメリカのオハイオ州にあるオベリン・カレッジの神学部に留学できるように援助したわけよ。このオベリン・カレッジっていうのは、アルザスのオベリン牧師の名前からきてるの。

そして、時がたって、1945年、日本は戦争に負けて清水安三も日本に引き揚げてきて東京の町田に桜美林学園を作ったんですって。うーん、知らなかったなあ、っておばはんも言ってたわ。

意外や意外よね。日本の昔の人たちってえらかったのね。その桜美林で教えていた、川島四郎先生や岸田袈裟先生の業績ももう一度よく見直したら、日本のこれからのために役に立つことがたくさんあるはずじゃないの。岸田袈裟先生は女性でもアフリカで何十年も研究してこられた方だけど、お二人の研究はこれから先の日本のいざというときに必要なことみたいな気がするわ。

あっと、もうこんな時間。今日はおばはんが午前中のミサに行くつもりみたいだからこのへんで終わりにしておくわね。ほんじゃ、またね。






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