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『公園のお風呂ダヌキ』-24

2010-07-30 12:23:05 | 連載
 「どうしようか」
 「一緒にきてもいいよ、静かにしてないと叱られちゃうけど、大丈夫でしょう」
 こんにゃくさんはごミサも洗礼志願式も初めてです。ですからクミちゃんと一緒に聖堂に入ると、クミちゃんのする通りに立ったり座ったりしました。
 神父さまのお説教が終わって、いよいよ志願式です。
 クミちゃんのおかあさんと、知り合いの女の人も立って前に出て行きました。
 式が始まって、神父さまが言いました。
 「・・・さん、教会に何を求めますか」
 「信仰を求めます」
 「信仰は何を与えますか」
 「永遠の命を与えます」
 聞いていたこんにゃくさんはびっくりしました。きのうの出来事を思いだして、とても不思議な気がしたのです。
 やがて洗礼志願式が終わって、ごミサの続きが始まったので、こんにゃくさんはまた、クミちゃんのまねをして立ったり座ったり、ひざまずいたりしました。
 そのうちにまわりの人達が立ち上がって行列をつくるとぞろぞろと前に出て行くので、こんにゃくさんも立とうとしました。すると、クミちゃんがこんにゃくさんの服をひっぱって言いました。
 「智恵ちゃん、ご聖体拝領は洗礼を受けたひとだけなの。だから、智恵ちゃんはここでちょっと待っててね」
 仕方がありません。こんにゃくさんは待ちました。
 (ご聖体ってなんだろうな。洗礼を受けたひとだけなんて、なんだかずるいなあ。いいなあ、クミちゃん)
 初めてごミサを見たこんにゃくさんには、ちんぷんかんぷん、わからないことだらけでした。
 そのうちにやっとごミサが終わって、聖堂の外に出たこんにゃくさんは、さっそくクミちゃんにきいてみました。
 「ねえ、クミちゃん、ご聖体ってなんなの?」
 「ああそうか、智恵ちゃんは初めてだものね。えーとねェ、ご聖体はねェ、パンの形のイエスさまなの」
 「イエスさま?」
 「うん、イエスさまがねェ、パンになって、イエスさまを信じて洗礼を受けているひとのところにきて下さって、そのひとと一緒にいて下さるんだって」
 「わあー、いいなあ、イエスさまが一緒なんて」
 「あら智恵ちゃんだってさ、そのうちいつか洗礼を受けたら、ご聖体をいただけるようになるじゃない。だからずうっと日曜学校にこなくちゃね」
 「ああ、そうかあ、うん。私、日曜学校にずっとくる」
 クミちゃんのことばで、こんにゃくさんの気持ちが急に明るくなりました。
 
 教会は今日から待降節です。
 日曜学校でも、いくつかのグループに分かれて、クリスマスの準備が始まりました。劇や歌の練習もあります。どの部屋でも子ども達のはしゃぎ声がにぎやかに響いていました。
 こんにゃくさんのグループは、馬小屋の模型を作るお手伝いです。
 リーダーと大きい子たちが背景の絵をかいたり、道具のしまってある箱を出してきたりして忙しく動きまわっている時、こんにゃくさんはぼんやり立って、並べてある人形をながめていました。

つづく
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