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『公園のお風呂ダヌキ』-25

2010-07-30 13:19:51 | 連載
 マリアさまとヨゼフさま、赤ちゃんのイエスさま、羊飼いや三人の博士たち、それから牛やヒツジやラクダとかの動物たちがいます。赤ちゃんのイエスさまは飼い葉桶の中でニコニコしながらねんねしていました。
 それを見て、こんにゃくさんは、なんとなく変な気がしました。
 だって、この赤ちゃんは、おとなになると悪いひとたちに苦しめられて、十字架につけられて殺されてしまうのに、どうしてニコニコ笑っているのでしょう。
 こんにゃくさんなんか、意地悪な子がいるところに行くとすぐ泣きそうになって、絶対ニコニコ笑ったりなんてできないのに、この赤ちゃんは笑っているのです。おまけにおててを広げて、まるで「だっこしてちょうだい」って言ってるみたいです。
 イエスさまって神さまなのに、パンになったり、赤ちゃんになったり、本当に不思議です。いったいどうしてなのでしょう。こんにゃくさんには、いくら考えてもわかりませんでした。
  
 それから一週間たって、次の土曜日になると、こんにゃくさんはまた、山田さんの家に遊びに行きました。今度は小島さんと新藤さんも一緒です。
 こんにゃくさんは新藤さんの家には行ったことがありません。新藤さんは男の子みたいに活発で、おとなしいこんにゃくさんとは、あまり遊んだこともなかったのです。でも小島さんと新藤さんは仲がいいし、こんにゃくさんと小島さんも仲がいいので、小島さんをさそうと新藤さんも一緒に山田さんの家に遊びに来たのです。
 こんにゃくさんは、山田さんの家でいつものように遊ぶほうが好きだったのですけど、山田さんも小島さんも、新藤さんの家に行ってみたいと思ったので、こんにゃくさんも仕方なくついていくことになったのです。
 行ってみると、新藤さんの家は、お風呂ダヌキのいる公園のすぐそばにありました。
 新藤さんは、みんなに自分の部屋を見せてから、公園に行って遊ぼうとさそいました。こんにゃくさんがいつも行く、ブランコがあるところと反対側の広場はボール遊びやゲームができるのです。
 こんにゃくさんは、いやだなあと思いました。だってこんにゃくさんは飛んでくるボールがこわいし、動くのがおそいし、スポーツなんて大きらいだったのです。
 山田さんも小島さんも新藤さんと一緒に楽しそうにボールをとったり投げたりしているのに、こんにゃくさんひとりは、ちっともおもしろくありません。
 とうとう、途中でいやになってしまいました。
 「私、帰る」
 「どうしたの、こんにゃくさん」
 「ちょっと用があるの」
 「あら、今うちのおかあさんがお菓子を焼いてるのに。もうすぐできるのに、おやつを食べていけばいいのに」
 「いいの、早く帰らなくちゃ」
 こんにゃくさんは、でたらめを言うとひとりでさっさと帰りかけました。


つづく
 
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