好事家の世迷言。

調べたがり屋の生存報告。シティーハンターとADV全般の話題が主。※只今、家族の介護問題が発生中です。あしからず。

「悪夢からの脱出」第19話「聖なる武器を授けられる」

2011-12-21 | ゲームブック二次創作
通路は次第に広くなり、部屋のようになった。
ふと、キィキィという音が聞こえ、続いて何かがバサバサと飛んできた。
手で払いのけると、小さくて革のような感触で……。

コウモリだ!
オレは驚きながらも、階段の下に身を隠し、
それでも飛んでくるコウモリを追い払った。
コウモリが大人しくなったのを見計らって、オレは壁を探った。
向こう側が空洞になっているのが分かる。

オレは記憶を掘り起こした。
シェクーが口ごもりながらつぶやいていた単語を、壁に向かって言った。
岩がきしむ音がして、ほこりが舞い上がり、壁が動いた。

小さな部屋だ。
テーブルの上には、木箱が一つ。
真鍮の留め金をした、きれいな長方形。
決闘用のピストルでも入ってそうだ。

赤いビロードの内張りをした箱の中には、柄に真珠を散りばめた、
銀製のナイフが鎮座していた。
そして箱には、こんな文字が刻まれていた。


クリスナイフ
我らが真の主人は地獄の業火より来たる悪魔なり。
その栄光と快楽を称えるこの刃は、秘儀に加わりたる者のみ用いるべし。
主人の在るところにては振るうべからず

ジャンプ(3・4号)私的雑感。

2011-12-20 | ジャンプ
出来る事と出来ない事を区別しよう。

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★覚えた台詞、三番勝負。

1.「中身の薄っぺらい人間ほどプライドは厚いもんだ……」
(『トリコ』)

2.「……仲間ぁボコボコにされてんの尻目に、
てめーだけ助かろーって……てめえだけ負けりゃいいって……
俺にとっちゃそっちの方がよっぽど……超犯罪級の、救えねェ大罪だぜ」
(『レンゴク』(読切))

3.「僕を……幸せにしてください」
(『バクマン。』)


※補記
読切『レンゴク』(by藍本松)、掲載。


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それでは。また次回。

我ら分身、今ここに。

2011-12-19 | その他ミステリ
『長い長い殺人』(by宮部みゆき)、読了。


「事故が起こったとき、俺はダッシュボードの物入れのなかに入れられていた。」

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「コレ面白かったよ」と、宮部氏ファンの友人から貸してもらった本を
パラパラめくって、最初に見えたのが上の文。
何だこりゃと思ったのが第一印象だった。

種を明かせば、この作品の語り手は人間ではない。
私たちがいつも持ち歩いている財布である。

確かに財布なら、どんな人でも持っているし、そう簡単に買い換えない。
時計よりも手帳よりも身近なアイテムだ。

この本では、一緒に過ごしている人間を見守っている10人、
もとい10個の財布によって、一連の事件が語られていく。
1話のみでも成り立つ短編連作のため、かなり読みやすい。

中心となる事件そのものは、どちらかと言うとシンプルだ。
保険金狙いと思われる交換殺人。
ただ、終盤に明かされる犯人側の動機は、何とも独特だ。
私個人としては、受け入れがたい部分も少なくない。
これが今時の現実なんだと言うのも分からなくはないけれど……。

けれど、こういう変わった趣向の物語は非常に好み。
埋められた死体の一人称なんて話も昔あったっけ。
巻末解説で述べられている他作品たちも、いつか読もうと考え中である。

それでは。また次回。

事件114『お金で買えない友情』(第39巻)考察。

2011-12-18 | 『名探偵コナン』原作考察
例によって例の通り、阿笠のビートルで、山へのキャンプに出かける少年探偵団。
(これでキャンプ3回目)
彼らと親しくなった大学生グループの間で、事件は起こる。

つづらおりの山道を車で上った時には何事もなかったはずなのに、
下った時に突然現れた被害者の遺体。
果たして被害者は、如何にして殺害され、遺棄されたのか?

この事件で押さえるべきポイントは、ゲストキャラ達の服装である。

このトリックを小説で書くなら、よほど上手く織り交ぜなければなるまい。
今回もまた、漫画ならではのパターンと言えるだろう。

また、ゲストキャラ達の会話をきっかけに、
そのゲストキャラ達と対比されて描かれる
蘭&園子の関係と、そして歩美&灰原の関係にも要注目。

この事件を期に、歩美による「哀ちゃん」呼びが登場する。
二人が親しくなっていく事自体は、とても微笑ましく喜ばしい事だと言えよう。

それでは。また次回。

「悪夢からの脱出」第18話「拷問台で質問される」

2011-12-17 | ゲームブック二次創作
目に留まった、右手のドアを開けてみた。
やっちまったと思った。
部屋の隅には、いわゆる「鉄の処女」が立っていて。
天井からは、形の違う二つの檻も吊されていて。
後悔する間もなく、オレは拷問部屋の連中に捕まった。

「あ、いやその、オレはただ、道に迷っただけでして。
 今日はココのご主人にちょっと呼ばれて」
「ご主人様の知り合いだと? 本当か?」

オレの弁明を聞いて悩む拷問係。

「それなら一つ、試験をしてやろう。
今から俺が言う頭文字で始まる言葉を答えろ。
答えによっては、丁重におもてなしするから、そのつもりでな」

何だか分からんが、とにかくクイズに答えれば助かるらしい。
今まで見てきた言葉でも挙げればいいんだろうか。

「D!」
「ドゥルマー!」
「A!」
「アバドン!」
「C!」
「ケルナー!」
「M!」
「モルダーナ!」
「S!」
「シェクー!」
「うーむ……これはお見それ致しました」
 
勝った。
拷問係は、オレが伯爵の知り合いの“同志”だと納得してくれたようだった。
オレは拷問係に案内される形で、部屋を立ち去った。

アニメ版「Fate / stay night」(第15話)雑感。

2011-12-16 | Fate ( stay night 中心)
『十二の試練』

・士郎にお姫様だっこされて照れるセイバーが可愛い。
・オープニングも新曲に変わった。
 勢いよくご飯食べてる藤ねえがまた可愛い。
 士郎VSアーチャーや、アーサー王としてのセイバーの画も披露。
 あと、涙まじりに振り向く凛が可憐すぎる。まるでヒロインみたいだ(苦笑)。
・原作とアニメ版、最大の相違点。人間から魔性への魔力の渡し方。
・原作では、(男女の仲として)精気を与えるという流れだったのが、
アニメ版では、魔術回路の移植に変更。
何でも神経移植に近いらしく、魔術師として欠陥を持つ覚悟が要るらしい。

・でもそんな儀式でもヤル事はほとんど同じだったりする。

 精神を同調させるために興奮状態になるんだとか何とか。
・儀式開始からすぐ、いきなりどこかに落下する士郎。
 セイバーの深層心理に飛び込んだって解釈でok?
・露骨にCGくさいドラゴン出てきた。
 士郎は右腕を食われたその先で、セイバーを見つける。
・翌朝。
 何というか、どうにも事後にしか見えない二人。
・これで二人の魔力がつながったそうだが。
 そうなると最終決戦でのラブシーンはどうなるのか。
・凛とセイバーの前で、無邪気に弓を創造する士郎。
 自分がどんな偉業を成し得ているのか分かってません。
・互いに手を握っただけで赤らむ士郎&セイバーが初々しくて良し。
・凛の奇襲を受けたバーサーカーが蘇生し、凛を握りつぶそうとする場面で終了。
・エンディング曲が元に戻った?
 まさか前回のバージョンは1回限定?
 何て破格の待遇なんだろうアーチャーは。

それでは。また次回。

愛が無ければ書けない。

2011-12-15 | 物語全般
映画『源氏物語 千年の謎』を劇場へ見に行く。

始まる前に「そこ私の席番号なんですが」と言われたり
(真相:相手の方がスクリーンを間違えてた)、
見てる最中にケータイが鳴ったり、地震も(弱いが)起こったりしても、
それでも、とにかく睡魔と戦った2時間強だった。
紫式部が宮中を去る辺りから完全に、集中力が切れていた。

が、それほど長い時間を費やしても、
『源氏物語』と、その創作事情を描ききるには、
あまりにも時間が短すぎる。

安部清明が作中世界と作外世界との両方にまたがって
出てくる辺りは要らなかったんじゃないかな。
と言いますか、あの陰陽師ネタ自体が要ら(略)。

主題についても、私としては茫然となってしまって。
実は『源氏物語』とは、
紫式部から藤原道長へ送られた、歪んだラブレターだったのだー!
……って、つい最近どこかで読んだような話。
しかも、その道長を愛しているからこそ、
彼を投影して創った光源氏をひたすら苦しめるのだー!
……って、お前はどこの黄金の魔女かと

ただ、そういったストーリー面はともかく、映像は本当に美しかった。
常に桜が舞い、常に藤が咲き誇り、常に紅葉は鮮やかで、常に雪が降りしきる。
そんな画面に雅楽のメロディが重なれば気分は最上。
雰囲気に酔うのが吉です。

それでは。また次回。

「悪夢からの脱出」第17話「地下牢の者に教えられる」

2011-12-14 | ゲームブック二次創作
シェクーと別れた後、その場を調べて回った。
左手のドアの先からは、荒々しい物音が聞こえてくる。
確かめたいところだが、鍵がかかっていて開かない。
少し先にある右手のドアを代わりに開けた。

その場所は、一種の地下牢のようだった。
太い鉄格子のはまった檻の中、それぞれ囚われた人たちが、
オレの方を見ていた。

汚れた髪や服をした三人。
誰も皆、ドゥルマー伯爵の手下に捕らえられたのだろう。
ヒステリックに泣き叫んでいる若い女性。
血走った目でにらんできている男。
そして、灰色の長い衣をまとった老人。

オレが近づくと、老人はまっすぐにオレを見つめた。

「時間を無駄にするな、聖者よ。どうか早く、この館の悪を滅ぼしてくれ。
 奴はクリスナイフでしか倒せず、その戦いは赤い部屋で行わなければならん。
 赤は地獄の象徴だからな。
 食堂ならば赤い壁をしているが、いつも鍵がかかっている。
 その鍵は、鏡の裏に隠されている。
 とにかく、クリスナイフと鍵を見つける事だ」

オレはその助言に従って、急いで地下牢を去った。

ジャンプ(2号)私的雑感。

2011-12-13 | ジャンプ
好きだから好き、って理屈でもいいと思う。

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★覚えた台詞、三番勝負。

1.「オレぁ皿に出された料理は、死んでも残さねーよ!」
(『トリコ』)

2.「ジャイアン映画版の原理でござんす。
たったコレ一日の苦しみで、残る364日の暴挙が許されるでやんす」
(『銀魂』)

3.「ヒーローってのは、てめェの酒を人に分け与えてやる奴の事だ!!
おれァ酒を飲みてェ!!!」
(『ONE PIECE』)


※補記
ジャンプフェスタ '12 (12/17・18)の詳細、掲載されてます。


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それでは。また次回。

少年記者の大冒険。

2011-12-12 | 物語全般
映画『タンタンの冒険 ユニコーン号の秘密』を劇場へ見に行く。

『けいおん』の行列に圧倒されました。
チケット買うにも、切ってもらうにも巻きこまれて。時間がかかって仕方なかった。
……という脱線は程々にして。

少年記者タンタンと愛犬スノーウィによる、世界中を巡っての大冒険物語。
1929年から始まるベルギーの有名作品である。

とにかくカメラワークの美しい作品だった。
沢山の車の行き交う交差点とか、荒波でぶつかり合う2隻の海賊船とか。
もしもコレを現実で撮影するなら、
カメラはコマドリのように飛び回らなければ不可能だ。
特に終盤、逃げる鳥をバイクで追うタンタン達の動きは、本当に目まぐるしくて見応えがある。
タンタンや船長や二人組刑事たちの姿も、原作通りによく似てた。

だけど。そういった映像美以外の部分には、あまり印象が残らない。
その理由は、絵柄が実写並みに写実的である事そのものにあると私は思う。

ほのぼのとした、ほわわんとした、はにゃんとした……何とも言えない
あのとぼけた雰囲気こそが、私の思う『タンタン』の魅力なんだなと実感した次第だ。

せっかく原作通りに、シリアスな展開を寒いギャグで落としても、
あんまり笑えないんですよね……この絵柄だと。
オープニングの影絵の雰囲気が一番好きだったなあ。

因みに。千葉県民ならこの『タンタン』を知らないとは言わせない。
千葉銀行のイメージキャラクターなのであります故。
銀行に行けば大抵、原作本を手に取る事できますよ(^^)。

それでは。また次回。