好事家の世迷言。

調べたがり屋の生存報告。※かつては名探偵コナンと逆転裁判、今はシティーハンターとADV全般の話題が主。

『尚も生きる。手を取りて』第27話「ハイドの妹」

2019-10-02 | ゲームブック二次創作

石柱の林を通過し、太陽の方へ歩くと、整備された街道に行き当たった。
道端に《→コーブン》と書かれた札が立っていた。

(どういう意味だろう?)
(この先に、コーブンという場所があるようですね)
(そうかな? コーブンって名前の人が住んでるかもしれないよ)
(そういうのは、屁理屈と言うんじゃありませんか?)

街道の先の方に、人影を見た。
旅の途中らしい、赤色の髪を伸ばした、若い人間の女性だった。
その女性は首に、以前ハイドに教わったメダルを提げていた。
ナオは一目散に駆け、女性に手紙を渡した。
女性は、目を丸くして手紙を受け取り、読むと体を震わせた。

「良かった、生きていたのね。
 ありがとうございます、これを届けてくれて。
 私はサリイ。ハイドの義理の妹にあたります。
 ハイドのお父さんは、孤児だった私を育ててくれたんです。
 『今日からコイツがお前の兄貴だぞ』と言って、分け隔てなく一緒に。
 さあ、こうしちゃいられないわ!
 早く、兄貴との待ち合わせの場所に行かないと」

サリイは快活に、ナオと逆の方へ街道を去って行った。

(キャリイ。確かハイド、「よく似た妹」って言ってたよね。
 あれのどこが似てるの?)
(ええ、わたしも驚きましたが……似ているのは見た目よりも、
心の方なのだと思います。魔物のナオに怯える様子もなかったですから)
(そうか。それにしても……綺麗な人だったな)
(ナオはああいう見た目が好みなのですか?)
(うん。でも、あの頭がひらひら長いのはどうかと思う。鬱陶しそう)
(あれは頭でなく「髪」です)
(分かってるよ。言い間違えただけだってば)


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