好事家の世迷言。

調べたがり屋の生存報告。※かつては名探偵コナンと逆転裁判、今はシティーハンターとADV全般の話題が主。

『尚も生きる。手を取りて』第38話「戦いの中で」

2019-11-09 | ゲームブック二次創作

最早、抵抗は無意味だった。

ナオ一人だけが戦っていたなら、それで話は終わっていただろう。
状況を一変させたのは、グロッグだった。

グロッグはナオが戦っている間に、その場から離れ、
カエル男の増援の方へ、密かに回り込んでいた。
ナオを取り囲む輪の外を、音を立てずに動いている。

敵陣は、グロッグの動きを完全に見落としている。
グロッグが荷物袋を外して下に置き、身軽になった上で、カエル男の
リーダー格の背後へ忍び寄るのを、ナオは視界の隅に捉えていた。

が、グロッグのその迫る動きに、増援のカエル男の一人が気づき、
太く長い矛を振りかぶって投げつけた。
矛は狙い違わず、グロッグの身を後ろから、無残にも貫いた。

それが、グロッグの真の狙いとも知らずに。

矛の勢いは、グロッグを貫通しても止まらなかった。
突き抜けた矛は、カエル男のリーダー格を串刺しにした。
リーダー格の体は、開けた場所の中央、底なし沼の辺りにはまり込んだ。

カエル男たちは、ナオ達の事を完全に忘れ、
リーダー格を助けようと右往左往し始めた。
ナオもまた、カエル男たちの事を忘れていた。
息をするのも忘れたように、グロッグの倒れた方を見つめる事しか
出来なかった。