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真珠会館

2011-02-13 | 建築巡り・街歩き【兵庫】



昨日は建築講座で神戸にある真珠会館へ訪れた。
昭和27年に設計者光安義光により建てられた昭和モダニズムの香り漂う建物。
現在もビルの四階では月に4回、真珠の入札が行われていて、
1階のホールには神戸パールミュージアムがオープンしている。

実は三年ほど前に一度訪れたことがあり、その時にも会館の方に丁寧に案内して頂いたことがあった。
その時の記事はこちら





まずは4階の普段真珠の入札会場となる部屋へ。
こちらで真珠会館の方から真珠についてのお話を聞かせて頂いた。
真珠を見るには北向きの間接光が最もよいとされ、太陽光の関係で午前12時までには入札が終わるとか。
こちらの部屋の窓ガラスは薄さ2mm以下の最も色がついていないガラスということで光に対して細心の注意がはらわれた
窓ガラスが使用されている。
自然環境にも影響を受ける真珠の養殖、来年の5月には真珠の値段は1.5倍になるとかで、購入するならそれまでにとのことだった。
自分には縁がなさそうだけど・・;





建物以外にも家具や照明なども光安氏設計のものがたくさんあるとのこと、
この入札会場のテーブルもそう。
やわらかい曲線を描くテーブルの脚は真珠が落ちて転がっても傷つけずその間を通過するための設計ではないかとのこと。





今は立ち入り禁止となっているが中庭から屋上へ上がる螺旋階段も人が一人通れるくらいの小ぶりなもの。
シンプルで繊細な造りが美しい。





中庭を4階から見下ろしたところ。





当時、最先端だった蛍光灯を全館にいち早く取り入れたこちらの会館。
照明もオリジナルデザインのものがたくさん。
こちらは建物内にある光安氏の御子息のおられる建築設計事務所の照明。
蛍光灯の明かりが直接目に当たらないよう傘などに工夫がされていてやわらかい光が天井からふり注いでいる。





その照明の傘を取り外したものがあったので間近で見せていただけた。
とてもモダンなデザイン。





こちらも下から照らされた光が上部の傘に反射して辺りをぼんやり照らすやわらかな間接照明だ。
当時の人たちにとっては最新の慣れない蛍光灯の明かりはキツ過ぎたのかなあ?!





この花台もオリジナル。
三角形の台の部分のラインがやや内側にカーブを描いているなど細やかななデザインがなされている。





トイレの洗面台も角の取れた丸みを帯びたデザインがかわいい。





光安氏の御子息にも案内していただけた。
建物外観の窓につけられている面格子は壁に対してフラットではなくやや内側に傾いて取り付けられている。
これが通りがかりの人たちがふと目を惹かれるポイントになっているのではないかと。
フラットに収まっているのとではやわらかさなど印象がまるで違うのだとか。
他にも動線を考えたドアの配置や、階段が最も上りやすい比率になっているなど、
ほんのちょっとした工夫や目に見えないところに細やかな配慮がなされている建物だということを力説されていた。
私も又前回以上にこの建物の細やかな魅力を知ることができ楽しめた。





見学は玄関の手動式のシャッターが閉まるのを待ってお開きに。。

コメント (6)
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