ぞな通信

四国・松山生まれ、在米25年、Zonaの日常生活。

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大学とローン

2011-07-25 00:39:37 | Weblog
ご質問に答える形となりますが、アメリカの大学事情と日本は大いに異なります。
日本の場合、親が「大学まで出してやる」義務感があるため、学費も親が出す事が多い。多分他のオプションが少な過ぎるせいもある。不況になった今、奨学金を申請する学生も多いと思うし、全額親が出さないにせよ、ある程度出す事が多い。

アメリカの場合は、高校卒業から自立する感じなので、多くの場合奨学金やローンで大学に通い卒業する。アジア人は教育熱心なので親が出す事がほとんどだ。大学に行くのが当たり前、親が出すのが当たり前。でもアメリカ人はそうではない。

そもそも日本人はお金を借りることに抵抗感や罪悪感を感じる国なので、クレジットカードやローンが良しとされない。一方、アメリカではローン、カード大歓迎。それが消費につながるという考え方だ。そしてクレジットカードの返済がクレジット歴として記録され、ちゃんと返済をしていれば、その人は信頼出来る人、と思われる。よって5ドルでもいいからチャージをして返済さえしておけば、クレジットスコアは上がる。
渡米したばかりの日本人にはアメリカにおけるクレジットレコードがないため、クレジットカードを作る事も出来ないし、車をローンで買う事もできない。自分も一体どこからスタートしたのか、今となっては全くわからない。そして他の人も一体どこからスタートするのだろうか。
大金持ちの中国人なんかはキャッシュで家を買うこともあるらしい。ちなみに彼らは中国共産党幹部で、懐にためた金は日本がODAで出した金とか何とか。真相はもちろん不明です・・・・。

話がそれたが、人からお金を借りる事が不謹慎な日本と、借りてでも消費を促進することが良しとされるアメリカとでは考え方が根本的に異なる。それをふまえて大学の授業料のことを説明したい。

大学に入るために多くの学生がローンを申請する。返さなくてもいい奨学金と返さなければならない奨学金がある。
カリフォルニアの州立大学の年間授業料も1万ドル($1=1円で100万円)を越した。これは日本の私立大学とそう変わらない。
カリフォルニア州の私立大学の年間授業料+諸経費で5万ドルと言われている。4年間で田舎に家が建つ。
これをスパーンと出せる人はそういない。
本当に皆さんどうやって捻出されているのであろうか。
そしてこれだけ大学に金を出す価値があるのか甚だ疑問である。

日本人のようにしっかり貯蓄しないアメ人はローンに頼らざるを得ない。
そして大学を卒業する頃にはローン地獄に突入するのである。
毎月毎月返済をし、無事返済完了した人は尊敬される。
もし逃れたい場合は、学校に通い続けると返済時期を延期出来るが、返済額は雪だるま式に増すばかり。学位を多く持つ人は珍しくないけれど、返済延期のための進学も強ち関係ないとは言えない。
こうやって借金まみれの人生を歩むのである。
アメリカ人と結婚する日本人女性は、配偶者に大学のローンがあることにびっくりすることがある。しかし、それがわかるのは結婚後。わざわざ盛り上がっている時に、「あなた借金ある?」と聞く勇気のある日本人女性はそう多くあるまい。

大学でローンを借りるのはとても簡単だ。書類を記入すれば借りられる。
大学に入る事自体が信用になるのだ。
医学生なんかだと、車のローンもすぐ組めて購入しやすい。貸す側は将来に投資するという考え方なのだろうか。

アメリカにおいて私立が優秀なのは間違いないけれど、不況になってカリフォルニアの場合公立大学に進学する人が増えて、日本の国公立のようにUCLAやUCバークレーが超難関になってきた。その理由の一つは、大学にお金がなくなってきたので、授業料を3倍の値段でチャージ出来る州外の学生や海外の学生の枠を大きくしたためだ。SATという共通一次のような試験で満点を取った学生でさえ上記2校に落ちたのを知っている。じゃあ、どうすれば合格するの?と聞いてみたい。(ちなみにぞな夫の時代はUCLAは滑り止めだった。同じレベルで語れない。)

そして仮にカリフォルニアの国公立大学に合格しても、今は授業を登録しにくい。なぜなら予約削減で教師が首になり、授業を開くことができないからだ。サマースクールで単位を稼ごうという学生も、サマースクールが開講されないこともあるので、卒業が遅れることもある。よって学生が登録できず卒業が5-6年かかったりするのだ。彼らの労働力を考えると、お金を出してでも私立に行った方が早く社会に出られて稼げる訳だから、決して私立が悪いとも思わない。

それと大学のための資金については、日本だと子供の進学のための学資保険もあるし、口座を作って預金を続けるのが一般的だ。
しかし、ここアメリカでは、子供用口座が落とし穴になることもある。そもそも貯金が苦手なアメリカ人が学資保険なんかするわけない。
以前学費セミナーに参加したとき、子供名義で口座を作ると、収入が多いと見なされて奨学金が降りないことがあるのだそうだ。日本人にとって普通であるこのやり方は、アメリカでは損になるから親の口座に入れる方がよい、ということを知った。しかしまだまだ不明な点は多いので、さらにセミナー等に参加して知識を増やすしかない。奨学金の使い方によって私立に進学するのも可能だということもわかってきた。
一番いいのは頭が良かったり、突出した技術能力があって大学から「きて下さい」という奨学金を頂く事だが、これは入るまでの努力が相当必要だ。
はたしてうちのぞな子にそれだけの技術や能力があるかと言えば、限りなく?????なのである。

でもアメリカは敗者復活戦が頻繁に行われる社会だから、ストレートで大学に入れなかったとしても、ジュニアカレッジと呼ばれる短大で良い成績を収めれば難関大学に編入することが可能だ。短大は公立が多いので、授業料の節約にもなる。そうやってのし上がって宇宙飛行士になった人もいる。やる気のある者にはいくらでもチャンスをやるぞ、という社会は、留学生や外人・移民にはとても助かる。頑張れば一定の扱いを受け、収入を得る事が出来る、という社会は世界中探してもそうないと思う。このフェアさはアメリカの長所だ。
日本だと外人にそんなチャンスを与えてくれないだろうし、日本人でも大学は最初からいい所に入っていなければ、後々苦労する事も多い。今はいい大学いい会社は何も保障してくれないけれど、まだまだ大学神話は崩れていないと思う。

アメリカに優秀な私立が多いのはこの国が資本主義社会の権化だからというものある(と思う)。
優秀な教授には高い給料を払う、いい施設を建設する。それにはお金がかかる。寄付も募るが学生にもチャージする。いい人が集まる所に人は行きたいと思うのは自然だ。必然高額な授業料に跳ね返る。素晴らしい大学にはいい人材が集まるだろうし、この人脈はお金には代え難いと考えることもできる。こうやってある層が出来上がるのであろうか。
その最も足るがアイビーリーグであろう。いるとありがたみはないが、外に出るとやっぱり歴史と気品のようなものがある。
現実社会にでれば実力がものを言うから、どこで育ったとか、どこの大学を出たとか、職種に寄ってはさほど問題にもならない。でも、ふとしたときに戻れる心地よい空間、という意味では通った学校や友達、先輩後輩というのはかけがいのないもんである。



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2 コメント

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日本の大学と新卒主義 (リサ)
2011-07-28 01:08:21
ぞなさん本当に有難うございました。

日本の場合、明治維新後の『官』主導の大学制度。
これがずっと尾を引いてるようです。国立大〉〉私大

(W大学とKO大学くらい!?一般的に東大と肩を並べてると見られている私大は)

日本の有名私大もここ20年位、米国の私大を真似て『広告塔』になる生徒を大々的に入れてます。
五輪選手などスポーツ選手中心で関大、中京大学などは大学内にフィギュアスケートリンクを建設した(してる?)そうです!!

個人的にはリンクを造って元が取れるのかな~と勝手に心配してますが。

というのは今の高校生『成りたい職業は?』と言うアンケート
①公務員②大企業の社員

日本人の特性なのでしょうね~。これが米国の高校生なら起業家とか言うのでしょうか。

日本の場合、敗者復活戦は殆ど無いです…。『昔』と余り変わっていない…。

弁護士や医師等々の特別な技能を持っている、または持つ為に会社を辞めて…なら良いのです。
または『公務員になる為』に会社を辞めて試験勉強する。

勿論、成功(試験合格→公務員になる・医師や弁護士になる)すればの話です!!

実際、私の上の弟の友達は国立E大→大企業→上司とウマが合わず退職。
その後の転職活動『大企業をすぐ辞めた=問題有りな人物』とレッテルを貼られたそうで…。
再就職先は本当にイマイチな会社だったそうです。

私の上の弟は運良く治安行政職に。が、そうでなければ友達と同じ末路でした…。

日本の場合『下』からのし上がる事を昔から『叩き上げ』と言いますよね。

今、誰が言い出したか分かりませんが普通レベルの中高から猛勉強して難関大学に入った人を『トッピング人生』と言って揶揄してます。

『普通』で終わりたくないと足掻いて努力して難関大学に。それがみっともない!?と??

幼稚園から名門大学の附属学校でなければならないとか…。サラブレッド思考です。

だから日本の経済がずっーと停滞してるのです。
未だにある学閥や会社内の派閥争い。

霞ヶ関の官僚達の出世争いも『東大』以外は参加出来ないそうです。
『最近は変わってきた』と言っても未だに霞ヶ関官僚の6割近くが東大卒。

因みに私大の雄・W大学出の公務員は嫌味を言われるそうです。
『W大学は在野でしょう。何で公務員になったの?』

米国の敗者復活戦が日本に定着すれば絶対に日本経済は復活するのに!!

日本人は真面目で沢山努力する民族!!

しかし『初物好き』が災いして『最初から』良い学校に入っていないと後からの巻き返しが本当に難しいのです!!

私の下の弟。松山東→広大→広大の院→1年薬剤師の資格を生かし薬局で働く(高給)

1年かけて大企業、公務員試験勉強する。

試験に受かる。が、『学校卒業後の間が空きすぎ!?』で採用されず…。

日本特有の『新卒主義』です。新卒じゃ無い→採用は難しい。

下の弟、今は地方の小さな薬品会社に勤めています。

日本は未だに『新卒主義』

だからもぉ~ぉ~し、ぞな子ちゃんが日本で就職されるならば
『ずっと勉強ばかりしてたから1、2年位ゆっくりさせてあげよう』は駄目です!!

私の下の弟はコレで駄目になりました…。


公認会計士・勝間和代さん曰く『外資系の会社を何回か転職してる為、(勝間さんの事を)「根性の無い人間」と見る人がいる』

勝間和代さん経営コンサルティング会社最大手・マッキンゼーの出世頭だったそうです。


日本は本当に良い国だと思います。が、再就職に関しては米国が最高です!!

日本の『新卒主義』は治らない病気みたいなモノです。

米国みたいな敗者復活戦が日本の企業風土に根付いたらなぁ~。

『野』に埋もれた沢山の才能ある人達…。本当にもったいないーっ!!

でも、それを生かす場所を与えて貰えない!!それが日本国です!!



もったいない (ぞな)
2011-08-05 23:50:20
「新卒主義」は私の時代でも普通でしたし、今私が帰国しても仕事はないの、わかってます。だから現役で働ける間はアメリカで働き続けようと心に決めています。それは生きるため。食うため。自分の存在価値はここだからあると思いますし、帰国して自分の価値観がここにいるほど生かされるとも思いません。もちろん普通の帰省はしてますよ。

でもだんだん時代は変化していて、インターネットのおかげもあって情報も簡単に入ります。新卒にこだわっていては何の進歩もなくなっているのは会社もわかっているから、徐々に変化していくと思います。ただその変化は争いを嫌う国民性もあるので、時間をかけてゆっくりになるのだと思います。今後20年かけて新卒にこだわる風潮は薄れて行くのではないかと考えております。そういう会社が増えるためには、トップがかなり理性とポリシーを持っていないと無理だと思います。普通でいいや、パパママストア的な会社であればその必要はないし。

野球選手やサッカー選手もあれだけばんばん戦力外通告やら他球団へのトレードとか日常的に行われているし、スポーツニュースも普通に報道しているのを見ると、これだけでも進歩かなあと思うのです。だって昔はトレードっていうだけで、かなりネガティブなイメージがありましたから。日本のビジネスの世界もこういう感覚に徐々に慣れて行くのではないかと思います。

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