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【パネルディスカッション】これからの教育~その改革と実践~③

2002-11-08 23:59:00 | インポート

(大木)  

 ありがとうございました。最後に皆さまから、青年会議所に対しまして、「託す思い」を一言ずつ、いただきたいと思います。

       

自分の生まれた国に誇りと自信を持てる子供たちに
(及川氏)     

  (及川)    

     私の方からは、市民運動の立場からお話したいと思います。先ほど確認させてもらって、ここには、小学生と幼稚園の子供をお持ちの方が半数いらっしゃいました。この子たちも必ず大きくなってきます。

 その時、自分の生まれた国に誇りと自信を持てる子供たちに、私たちは育てるべきだと思います。

 その最も基本にあるのは、国旗であり、国歌であるし、それから親を大事にするとか、先祖・文化・伝統を大事にする、といったことを教えていき、育んでいくことが非常に大事だと思います。

 それから、学校の教育現場の中で起きる いろんな問題は、これからもまだまだ続くと私は思います。それを直していくのは、学校の現場から直ることが一番なのですから、そのためには保護者の監視の目、というのが非常に大事だと思います。

 本当は、今日、このパネリストの中に学校の先生が一人いらっしゃったら、よかったかなと。教育の問題なのに、学校の先生が一人もいないのは少し残念でした。

 今後とも、皆さまには、自分の子供のためにも、地域社会のためにも、そして日本のためにも、教育問題に関心を持っていただきたいと思います。

 

今日の法律で過去を裁くようなことは、厳に慎まなければならない
(沖田氏)

(沖田)          

     行政の立場から、お願いしておきたいと思います。

 まずは、同和問題です。差別につきましては、皆さんも学校でこれまで勉強してこられたでしょうし、また社会人になられても、いろんな形でこの問題から避けて通ることはできないと思っております。この問題は、女性差別とか障害者差別などとは本質的に違う、ということを理解していただきたい。それはどういうことかと言いますと、我々日本人が差別というものを、人為的に作ったわけですから、必ず、そして間違いなく、なくすることができます。では、なくするためには どうしたらいいか、ということについて、皆さんも考えていただきたいと思います。

 この問題に関しては、これまで思想的に異なった団体が、政治的にも教育行政の中にも、深く、いろんな形で入り込んできていることが言えますが、このことを直視していただいて、この差別をなくするためには、どうしたらいいか、真剣に考えてもらいたいと思います。私も「なくすことができる」という意見を中心に掲げて、様々な団体や政党と議論してみたいと思っております。

 それから教科書の問題ですが、いろんな人たちが いろんな意見を述べたり、特定の教科書に対する不採択の申し入れ等を行っておりますが、あくまでも中立公平な立場で、最終的な決定を行うのは市町村教育委員会であり、教育長です。広島県の採択の場合は、13市と17ブロックの30地区に分かれております。安浦町の場合は豊田郡の1ブロックの中に入っており、この中で教育長と10人の方々によって最終的に決められるという1つの流れの中で、外国も含めて外部からの余分な意見を一切取り入れずに、中立公平な立場で決めていただきたいと思います。

 これまでの教科書は、学校の現場が組合活動、それも いろんな特定の団体と組んだ中での活動を活発にしておりますから、どうしても そういう特定の教科書を選ばなくてはならなくなっており、また教科書会社も、自社の教科書を選んでもらわなければなりませんから、どうしても特定の団体の意見を重視した教科書にしなければなりませんでした。今回は かなり是正されてきておりますが、皆さんの地域でも8月一杯まで8社の教科書が公開されますから、時間がかかるかもしれませんが、ゼヒ見比べていただきたいと思います。

 そして従軍慰安婦の問題です。少し頭に入れておいて欲しいのですが、「従軍慰安婦」という言葉は当時、ありませんでした。当時は「従軍カメラマン」「従軍記者」「従軍看護婦」の3つしかありません。「従軍」という言葉を「慰安婦」につけた言葉が出始めたのは、つい最近、ここ10年ぐらいのことであり、マスコミが作り出した言葉だと思います。現在では、当然できなくなっておりますが、当時の法律では合法であり、新聞にも募集広告が出ておりました。

 ところが、当時の法律では違反にならない行為であったものが、教科書等に批判的に掲載されており、このような掲載を行うこと自体が、かなり人権を無視した行為であり、つまり、今日の法律で過去を裁くようなことは、厳に慎まなければならない、ということを感じております。

 また、最近「公の場所での内心の自由」といったことについて、新聞等で述べられておりますが、極端に言いまして、「内心の自由」というものは、公務員には ありません。公務員は憲法をはじめ、地方公務員法を含めた各法律をすべて守ることになっており、その中で、公務員は上司命令には絶対服従であることが謳われているわけですから、例えば学校の現場で、学校の校長が「国旗掲揚・国歌斉唱」と指示を出せば、それに従って、その通りにやらなければなりません。

 それがイヤなら、やめればいいんです。公務員になる必要はない。

 この公務員という籍にありながら、職にしがみつきながら、「内心の自由があるから」と憲法19条を持ち出して、学校現場を混乱させていることは、絶対に許してはならないことだと思います。皆さんにも確かに内心の自由がありますが、特に公務員は、すべての法律を守った上で、はじめて「内心の自由」という権利が主張できるものであり、「内心の自由」を先に言ってはならないと、私は常に言わせていただいたおります。

 少し長くなってしまいましたが、皆さまにも知っておいていただき、各地域で頑張っていただきたいと思います。
             

人と人とが信頼できる関係を作っていく出発点が 「挨拶」
(佐藤氏)

(佐藤)          

     まず知っておいていただきたいことは、小・中学校の設置者は市町村であり、教育の中立性確保のために、教育委員会制度を設けて、それが公立学校の教育というものについては責任を持って、その市町村内の教育を行うことになっています。

 県は県で、県の行政委員会の一つとして教育委員会があり、そこが教育に関わり、責任を持って仕事をしております。服務監督権については、県立の場合には県の教育委員会が、市町村の場合は、県費負担の教職員については、県が給与を負担しておりますが、市町村の教育委員会が服務監督権を持っているということをご承知いただきたい。

 その中で、義務教育改革については、県で21世紀の教育はこうあるべきだというプランを作成致しました。私どもから各市町村教育委員会にお願いさせていただいていますのは、設置者が市町村ですから、「わがまちの教育プラン」を作って下さいと、そしてその予算について、県は「わが町の教育プラン支援事業」というものを設けまして、県が2分の1補助で、市町村が様々な事業をやりたいと思われたのであれば、それを進めて下さい、という形を整えております。

 今年、県内全体では大きな事業予算がありますが、市町村立の学校の場合は、県から補助金を出すことは、今の時代では なかなか少ないことではありますが、義務教育の改革を進めるということで、県では特にそういうことに取り組んでおります。従って、市町村がどのような教育プランを作成しているのか、ということについては、我が子を持つ親として、地域住民として、ゼヒとも関心を持って聞いていただいて、そして協力もしていただきたい、と思っております。

 続いて、来年度から、学校週5日制が実施となり、土日が休みになります。そしてその時に、小・中学校では新しい学習指導要領に基づいて、教育が行われることになります。その中で、小学校3年生から、週3時間ぐらい「総合的な学習の時間」が設けられ、中学校では1年生から「選択の時間」が設けられることになります。それぞれの学校が、自分の地域や子供たちの実態に合わせて、どのように教育していくのか、ということで、同じ町内においても、その時間の中身が大幅に違ってくる可能性があります。それが、本当に地域の人が願っている教育につながっているのかどうか、ということについては、それぞれの学校は「説明責任」というものを果たさなければなりません。

 そこで地域の人に関心を持っていただくために、昨年から「学校に新しい風を」という冊子を県内の保護者全員に配布させていただきました。「学校には いろんな情報がありますので、どうぞ学校に行って、いろんな話を聞いて下さい」ということを、そしてそれをより進めていくために「学校に行こう週間」を去年やりました。今年は11月1日から1週間を予定しております。ゼヒとも傍観ではなく、協力者として学校に行っていただき、いろんな面で学校のことを知っていただいて、ご協力をお願いしたい。

 と同時に、新しい教育課程は それほど学校の自主性が求められていますので、今からの公立学校は、学校そのものの存亡を賭けた特色づくりの時代になります。また同じ町内にあっても、通学区域の自由化をどんどん進めてもらいたいことをお願いしております。わがまちの教育プラン補助事業の中にも、それを組み込んでおります。

 ところが、この問題につきましては、県内では たった1市町村しか立候補がないなど、まだまだ取り組みにくい状況が、実態があると思われます。この問題について、私は、学校の特色づくりをするということで進めていかないと、学校が「親方日の丸」的な感覚で教育をやっておっては、なかなか特色づくりは進まないのではないかと思います。

 さらに、県民の願いは 確かな学力を付けて欲しいということです。小・中学校では読み・書き・計算を、まずしっかりやる。そして県立学校では、学力向上の重点校を今年は21校決めるなど、さらに全県に広めて、本当に希望する進路を選択できる力を育てていくなど、そういった目に見えるものをやっていきたいと考えております。
 県教委の冊子「くりっぷ」をゼヒお読みになって下さい。県もいろんな取り組みをしております。

 豊かな心を創造していくための施策としては、学校週5日制を通して、様々な体験活動のプログラムを組んでまいりますし、さらに「幼児教育ビジョン」というものも作成します。

 また「生涯教育プラン」も確かな学力を付けることと教育のベースを作るということで取り組んでいきます。

 もう一つは、信頼される学校づくりの一環として、「学校評議員」という制度を、来年4月1日から規則を改正して、すべての学校に設けることになりました。これは校長先生の求めに応じて、その評議員が意見を述べるという取り組みで、これは、評議員の対象としては、教育の中立性を確保できて、校長へ進言できる人を選ぶことになっております。市町村にはそれぞれ管理規則を改正していただいて、その中で評議員制度を取り入れてもらうというやり方で今、進めております。

 皆さまには、もう一つお願いがあります。PTCA活動というものを青年会議所では標榜されていることを知りまして、大変うれしく思っております。学校週5日制の狙いは、学校教育だけではなく、学校・家庭・地域それぞれが責任を果たして、子供の教育に関わっていくことであります。その中で、ゼヒともやっていただきたいのは、「挨拶」です。21世紀に持っていくもの・置いていくものということもありましたが、「挨拶」ということが、やはり一番大事なことだろうと思います。

 それが人を大事にする心を育むものだと思います。

 先ほど、沖田町長が人権問題についての話をされていましたが、すべての人々が本当に自分の持てる力をフルに発揮できるような、そういう社会を21世紀には作っていかなければなりません。そういう意味でも、まず始めに、人と人とが信頼できる関係を作っていく出発点が「挨拶」だと思います。

 最後にひとつ、今年2月23日に放映された「テレビ寺子屋」の中で話されていた、小学校6年生の詩を読んで終わりにしたいと思います。

 「おはよう」というと、目が覚める。

 「いただきます」というと、おなかがすく。

 「行ってきます」というと、元気が出る。

 「ありがとう」というと、気持ちがいい。

 「ごめんなさい」というと、ほっとする。

 「おやすみなさい」というと、いい夢が見れる。

 お互い、ただで、すぐにできることです。それを若い皆さんの力で、地域の大きなうねりとして実践していただく中で、地域の人たちに知ってもらうこと、そして共に協力してもらうことが、子供たちが将来大きくなったときにも問題行動を起こさずに、素直に育っていく子供になるのではないかと思います。

 こども夢基金にもご協力いただき、引き続きよろしくお願い致します。

         

  (大木)          

     本日はお忙しい中、我々青年会議所メンバーのために時間をいただきまして、誠にありがとうございました。

 青年会議所メンバーのほとんどは、経営者、またはこれから経営者になっていく者たちであります。

 本日のお話にもありました通り、これまでのような教育が行われ続けますと、当然これから社会に入ってくる人間が目上の人間に対して、信頼・尊敬することさえもできないような若者がどんどん社会に流出しかない状況だと思います。今日の会場レイアウトさえも「差別につながる」と言われかねない、変な平等教育が行われている、そんな広島県の現状を、皆さん少しでも理解していただきたいと思います。

 本日のお話はショッキングな話ではなく、基礎知識ぐらいに思っていただいて、これから我々青年会議所メンバーひとり一人が地域を良くしていこうという「地域人」として、この教育の問題に目を向けていかなければいけないということを実感していただきたいと思います。

 本日は、貴重なお話・示唆をいただき、誠にありがとうございました。


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