梅様のその日暮らし日記

その日その日感じた事や世間で話題の事について自分なりの感想や考えを書いていきます。

「武漢・三峡ダム5日間」⑦

2016-05-09 16:17:21 | 日記


   脱力感に見舞われた二日目を終え、三日目。今日も移動が200kmあり、見学場所は3か所のみ。昨日よりは移動距離が無いので、ホテルには割と早めに到着出来そうです。

   私は旅行中、できるだけ早く就寝するため、シャワーは朝のみとしています。さてこのホテルのバスは・・・・? シャワーを浴びようとしたのですが、バスタブに湯を注ぐ方に切り替えたら、二度と元に戻りませんでした。仕方なく、体を洗った後、たっぷりとためたお湯の中に身を縮めて座り込み、石鹸を落とします。部屋のドアチェーンも壊れたままですし、外観の立派さとは裏腹に、細かい所は全く神経が行き届いていません。他の人たちもそれぞれに不具合を発見していたようです。これは中国が遅れているというよりは、国民性の問題だと思います。

   バスが出発するまでのわずかな時間、ホテル前の交差点を眺めていると、極めて中国的な行動様式が目を引きます。信号を守っている歩行者はいません。赤だろうが何だろうが、構わず道路を横断します。5年生くらいの男の子が、赤信号を走って横断しては戻って来るという冒険をして遊んでいました。小学校で徹底した交通安全教育を施せば、大人たちを指差して、「あ、いけないんだあ!あの人大人なのに赤信号で渡ってる!」と叫ぶ子供たちを育成できそうなものですが・・・。中国の至る所に掲げられたスローガンである「文明化」は、果たして今世紀中に達成できるのでしょうか。

   ホテルの部屋から窓の外を見ると、何やら巨大な立像の後姿が見えます。私の印象では関羽の後姿と思えるのですが、実際はどうなのか。真偽のほどは後程分かりました。高さは低めのビルの向こうに肩から上が見えるサイズです。

   バスに乗り少しばかり進むと、長江にかかる橋の上に出ました。あの巨大な立像は、やはり関羽でした。高さ30m、世界最大の関羽像だそうです。三国時代、日本で言えば卑弥呼の時代の伝説の武将です。それがいつしか商売繁盛の神様となり、世界中どこでも華僑のいるところなら、関羽廟があり、関羽が祭られています。しかしこの関羽像は、あまりにも巨大で、あまりにも俗っぽ過ぎます。中国人の過大な金銭欲の象徴ではないかとさえ思えて来ます。

   ガイドが屈原の説明を始めました。ゴールデン・ウイークとあって、端午の節句の説明なのですが、肝心なことが説明不十分です。彼に限りませんが、中国のガイドたちの自国の歴史に対する知識はとても情けないものがあると言っても過言ではありません。話を始めて見たものの、尻切れトンボでごにょごにょと終わってしまいました。

   屈原とは、三国時代より500年ほど前の詩人の名前です。国の行く末をはかなんだ屈原は、5月5日に、汨羅(べきら)という川に身を投げて死んでしまいます。屈原の死を悼んだ人々は、川に供物を投げ込みます。これが粽(ちまき)の起源です。いつしかこれが変化して、柏餅というものが誕生しました。せめてこの程度の説明はきちんとしてもらいたいものです。第一、たかだか正味三日のツアーのガイドです。少しは予習して来いと言いたくなりました。恐らく、このツアー参加者の中にはガイドより豊富で正確な知識を持った人が大勢いたはずなので、口にはせねど、失望した人も多かったのではないでしょうか。

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