梅様のその日暮らし日記

その日その日感じた事や世間で話題の事について自分なりの感想や考えを書いていきます。

散歩・百人百様

2016-11-21 18:18:17 | 日記
   私は東亜学院という中国語学校に通っている訳ですが、「東亜学院」というのがこのブログを検索する時のキーワードの一つとなっているようです。もちろん「善人説了」で検索というケースが一番多いのですが、案外あるのが、「おなら」での検索。おならというテーマでやたらに書いてはいないのですが、覚えやすいという事なのでしょうか、検索キーワードの第二位となっています。

   東亜学院に行く日は早朝5時過ぎに家を出ます。すると、まずは大きな農家から、お婆さんが犬を連れて出て来ます。犬には首輪も紐もついていますが、お婆さんは紐を握ってはおらず、後から歩いて行くだけで、犬が先導してナワバリの巡回をしている感じです。お爺さんはこの時間、軽自動車で経営するアパートの巡回をしています。もう畑は無く、この辺り一帯に、何軒ものアパートを所有しているようです。

   やはりお婆さんが、猫を連れて散歩しているところに出くわします。お婆さん、手押し車の上に猫を載せ、ひもでつないで、これを推しながら歩いて行きます。猫を載せていない時でも手押し車は使っているので、足腰の弱ったアパートで独り暮らしのお婆さんが猫を伴侶に細々と暮らしているのでしょう。昼頃になると生協のの車が弁当を届けにやって来て、お婆さんはそれを夕食の時間に食べます。

   先ほどのお爺さんが十回に回ったアパートの一つから、やはり一人暮らしと思われる50代の男性が、出て来て、散歩を始めます。こちらはかなり勢いよく歩くので、健康のため、体力作りも意識して歩いているのだということがわかります。昼魔はどこかに勤めているのでしょうか。それにしては出し惜しみせずせっせと歩いているんのが印象的です。

   午後三時ころになると、お爺さんとお婆さんの家と隣接する、これも昔は多分農家だったと思われる家から、腰が深々と曲がったお婆さんが出て来ます。背中にリュックを背負ったお婆さんは、毎日綾瀬川の土手まで行き、日光街道の杉並木をぐるっと回って来るのです。私がこの地に越して来てから10年。人々のこうした光景は毎日変わることなく繰り返されています。

   私がこれまでに見た散歩の中で、とりわけ印象深いのは、北千住駅構内を歩き回っている、とある女性の姿です。私が東亜学院の帰り際、千代田線から東武線に回る連絡通路に入る頃、その人は向こうから歩いて来ます。深々とつば広の帽子をかぶり、顔にはおしのびで出掛ける芸能人のような大きなマスクをしているので、どんな人なのか全くわかりません。上には長めの白いカーディガンを着ています。真夏なら長袖の白いシャツです。下はやはり白っぽいパンツ・ルックで、これも一年を通じて変わることがありません。

   彼女はとてもスリムでスタイルが良いという事だけは分かります。そして、少し大股で、しゃなりしゃなりと腰を左右に振りながら、地下鉄の構内を練り歩くのです。このままだと千代田線のホームに入ってしまうという階段の手前の柱までくると、彼女はくるりとUターンし、もときた通路を戻って行きます。そして数十メートル先にあるキヨスクの周りを回って、また同じ通路を歩くのです。そして柱の周りを回って・・・・。

   これを一体何回繰り返し、どれくらいの距離を歩いたら帰るのか、それは確かめたことがないので分かりませんが、私が多少遅れても早くなっても同じ光景に巡り合うので、結構な時間を歩いているのではないでしょうか。彼女がどうしてこんな散歩を思いついたのか分かりませんが、地下通路とあって、雨の日も風の日も、晴れた日も曇った日も、せっせと、いや、しゃなりしゃなりと彼女のウオーキングは続いているのです。

   私は・・・散歩という行為自体がなかなか好きになれません。仕方ない、歩くか!という日には、必ず片手に中国語か韓国語のカードを持って、暗記しながら歩きます。カードの暗記作業を机に向かって行うのは多少の苦痛を伴うので、一石二鳥となります。後は・・・そうですね、帰宅時には国会議事堂前で一度千代田線を降り、日本一深いと言われる底から改札口まで、エレベーターを使わずに歩いて昇り、エスカレーターで元のホームに戻ってまた乗車します。北千住駅では、快速には乗らず、わざわざ三階ホームまで歩いて上がって、各駅停車に乗って帰ります。誰しもがそれなりのこだわりを持って生きているという事でしょうか。