梅様のその日暮らし日記

その日その日感じた事や世間で話題の事について自分なりの感想や考えを書いていきます。

③おっさんのApril

2016-03-30 04:27:52 | 日記
  写真撮影タイムを含め、演目を全て終了すると、私は全く念頭に無かった「握手会」が待っていました。クレヨン・ポップの時には時間をあけて希望者だけが握手会に残ったので私はさっさと帰ってしまったのですが、混乱を避けるためでしょう、今回は全員着席したままでいることを求められました。「それでは第一列目の皆さん、お立ち下さい。」という要領で、指示に従って列ごとに整然と握手会場、と言っても舞台に一番近い出口の前にテーブルが並べられ、そこにAprilのメンバーたちが待っているという段取りなのですが、へ、向かわされます。逃げ隠れすることは出来ず、いや応なしに彼女たちと握手しなければ帰れない形になっています。

   そろそろ順番かな、と思われる頃、私の隣にいた「トム」さんが、やおら荷物の中から社員証ケース・・・首から下げるパスケースですね、・・・を取り出しました。見ると、「チェギョン会・トム」と大書してあります。公式にはそんなものは存在しませんから、あくまで自分たちの私的集まりです。リーダー・チェギョンと握手する際にこれを見せてアピールする作戦なのでしょう。そうまでして自分の事を覚えて欲しいおっさんもいるわけですね。

   私たちの列にも順番が回って来て、ついに私までAprilメンバーと握手をするはめになりました。それまで踊りまくっていた手は、誰も皆ほかほかと暖かく、私が予想していた「女子高生の手」とは全く違った感触でした。振り返ればこの私、長い人生の中で、まだ大学生だったと幼い頃の娘以外には異性の手を握ったことなどありませんでした。

   今回のファンミーティングで私が痛感したこと、それは、「寂しいおっさん」が多すぎるということでした。この日は平日の真っ昼間なのです。私のような年齢ならともかく、こんな日、こんな時間に、いいおっさんたちが集結しているのは、有り得ない光景ではないでしょうか。休暇を取って来ているということなのか、いや、先述のように勤務中にも関わらず参加しているおっさんもいるわけですが。満ち足りた生活をしているおじさまが昼間からこんなところに集結して、ビールを飲み、絶叫している姿は必ずしも健全とは言えないかもしれません。

   「KARA情報部」というサイトがあり、いろいろな人が投稿していますが、その中に、かなりの頻度で投稿している39歳の男性がいます。決まったパターンがあり、まずは体調が優れないことから書き始め、次にどれくらい眠れたか、そして昨夜は何を食べたかを報告します。夕食はすべてあまり高価ではない外食です。これらを全て一通り書き終えた後、本題に入るのですが、全体のトーンが沈みがちで、アパートの一室でひっそりと暮らしている、中年に差し掛かった寂しい独身男性の姿が浮かんできます。

こうした寂しいおっさんたちは、演歌など聞いていたらますます寂しさが増すばかりなのでしょう。演歌の公演にもすすんで鑑賞に行く私は、かろうじてまだ大丈夫?韓流ガールズ・グループは、もしかしたら、そうした「寂しいおっさんたち」の満たされない心を埋めてくれる存在なのかもしれません。日本のAKB48やEガールズに熱を上げるのはなあ・・・というおっさんたちも、韓流なら何となく言い訳が立つような気がする、そんなところではないでしょうか。

   そんな中で登場したAprilは、おっさんたちにとって、待ちに待った救いの女神になるのかもしれません。おっさんという生き物は、昔から女子高生が大好きですからねえ・・・。Aprilを見た後ではApinkがひどく大人に見えますし。しかし、Aprilにせよ、本当はおっさんたちのアイドルになることを夢見て厳しいレッスンに励み、デビューしたわけではありますまい。彼女らにしてみれば、同年代の男の子たちによって埋め尽くされた会場で歌い踊ることが目標だったことでしょう。しかし、現実にはAprilは、紛れもなく「おっさんたちのアイドル」に特化してしまっています。おばさんたちにとっての東方神起やJYJに当たる存在が、ついにおっさんたちに対しても登場したということなのでしょうか。