梅様のその日暮らし日記

その日その日感じた事や世間で話題の事について自分なりの感想や考えを書いていきます。

ライザップ

2015-06-15 10:57:36 | 日記
   ライザップ。一発で変換したところを見ると、ワードの辞書は適宜自動更新されているのでしょうか。そう思うほどごく最近のし上がってきたダイエット専門業者ライザップ。香取慎吾や赤井英和がCM出演して、一部で話題になっています。と言っても赤井英和は元プロボクシングの世界チャンピオンですから、減量についてはノウハウを完全にわきまえていますから、あまり参考にはなりません。一般人と思しき男女が2か月でこうなった!とわれた腹筋を自慢げに披露している姿が視線を引きます。まあ、2か月で10キロ以上のダイエットに成功した事例というわけです。当社にお任せあれば誰でもこうなれます・・・と。

   ライザップの減量プログラムは至って簡単。週2回、50分の筋トレをジムで行うことと、食事で食べた物を逐次写メールで送り、点検を受けること、この2点です。食事については極めて厳格な指摘が行われますが、基本は炭水化物を極力摂取させない、炭水化物ダイエットだということです。実は筋トレで消費できるカロリーというのは実に微々たるものなので、ライザップ・メソッドの鍵は炭水化物を摂取させないという点に尽きます。ジム・トレーニング自体は計16回、これで37万5840円也。メールによる指導は1件につき2分もあればできるので、50分の筋トレに毎回2万円以上の金額を支払っている勘定になります。

   このシステムは誰にでも容易に理解できる簡単な原理に基づいています。従って専属トレーナーという制度がありますが、顧客が送って来た写真の中で糖質を含んだ物、脂っこいもの、でんぷん質で作られた物について、「これ食べちゃ駄目!」と指摘するだけでよいので、素人でもできます。従って、トレーナーは皆時給900円のアルバイトだそうです。

   筋トレの部分もアルバイトが受け持っているものと思われます。能力以上の負荷をかけて椎間板ヘルニアにしてしまったり、はなはだしきは高血圧の顧客にきつい負荷をかけて、脳溢血にしてしまった事例があるそうです。はっきり言って、完全に金儲け主義以外の何物でもありません。バーベルを使った筋トレを指導するのは実は本当に難しいことなのです。体育の教師でも、バーベルを使った筋トレを正しく指導できる人間はほとんどいません。私の38年間の教師生活の中では、私以上に筋トレを指導できる体育教師を見たことがありません。(私は英語教師。アメリカから専門誌を取り寄せて参考にしておりました。)それくらい、バーベルを使ったウエイト・トレーニングは専門性を要求されるものなのです。それをアルバイトに指導させている企業が、まともな企業であるはずがありません。

   ちなみに私も何度かダイエットに挑んだことがあります。その際の毎日の食事は、たとえばこんな風になります。朝:ご飯一膳と味噌汁に漬物少々・昼:普通の大きさの弁当・夜:皿にご飯二膳分程度に具を載せた天津飯・・・こんなところです。これで、一日に4時間程度の立ち仕事(授業)をし、放課後は部活に付き合います。部活の中で、週一回バーベルを用いたウエイト・トレーニングが入り、また40分程度のジョッギングが週一回程度、また休日に週一回、20㎞のジョッギングを行います。この生活で得られるダイエット効果は、3か月で10㎏。ライザップのど素人トレーナーに指示されなくとも、ちゃんとセミ・マッチョで体脂肪の少ない体形を作ることが可能です。この程度のやり方ですと、飢餓感に苦しむこともありません。もちろん、午前10時までに「あー腹減った!」となり、就寝時には胃の中が完全に空っぽになっていますが。

   ライザップの指導のもとでダイエットをしようとすると、どうしようもない飢餓感に襲われ、日常生活に支障をきたすのではないでしょうか。第一、この方式だとあっと言う間に、恐らく3か月以内に元の肥満体形に戻ってしまうこと請け合いです。

   思い出して見ましょう。これまで沢山の有名人が、モデルとなってダイエットを行い、体験記を単行本化して、印税で一儲けして来ましたが、その有名人たちの中で、ダイエット後の体型を維持できた人間は一人もいません。無理のないダイエットをしたければ、月毎のダイエットはせいぜい2㎏まで。それ以下だと痩せた気が起こらず、やる気が失せてしまうので、これでも多いのかもしれませんが、この辺りで進めていくのが良いでしょう。

   最後に一言。自分の体を変えるのに、ライザップのような企業に縋り付くような主体性の無い、自立心の無い人は、絶対にダイエットには成功しません。万一減量に成功したところで、一か月で5㎏くらいは戻ってしまうことでしょう。痩せたければ、原理は簡単なのですから、自力で達成すべきなのです。ダイエット=意志の力 なのです。

   摂取カロリー<消費カロリー。これさえ守れば、痩せていくしかないのです。ただ一つ注意すべきことは、摂取カロリーが減ると、体の防衛本能が働いて、新陳代謝が低下します。筋トレやジョッギングはこの新陳代謝の低下を防ぐために行うのだと思ってください。ムキムキになるためにやるのではありません。かつ、ダイエット目的であれば、週二回筋トレをやるよりは、週二回ジョッギングをした方が格実に痩せます。なぜなら筋トレをすれば、一時的に筋肉に損傷が生じ、それを超過回復させるためにタンパク質と糖質が必要になって来るので、必然的に肉を沢山食べなければならなくなるからです。

   ライザックではプロテインを売りつけようとしますが、工場で生成されたプロテインを飲んでも精神的な満足感は得られません。私は筋トレをするなら我慢せずに脂身のついた肉を食べ、精神的な満足感を得た上で、次の頑張りに向かうことを勧めます。要は一日のトータル・カロリーを考えていればそれで良いのです。

   では、ダイエット志願者の皆さん、健闘をお祈りします。