life goes on slowly

或る大阪近鉄バファローズファンの
偏愛と放浪の記録

上野にやってきました。もう花が咲いてます。

2009-02-28 23:59:59 | 【旅】ぼちぼち放浪
 アーツ&クラフツ展@東京都美術館です。上野公園には、花壇にパンジーが咲いてたり、花をつけてる木も見えました。遠目でしか見てないけど、梅でしょうか。
 土曜の昼間ということで混み混み覚悟でしたが、覚悟したほどでもなかったです。助かった。西洋美術館でルーヴル美術館展やってるのでそっちに流れてるのかも。

 「ウィリアム・モリスから民芸まで」というわけで、出だしはイギリスもの。植物モチーフのデコラティブなファブリックデザインは、いかにもイギリスです。田園風景が似合うというか、「赤毛のアン」的な世界というか。小鳥を「いちご泥棒」と銘打った洒落っ気も素敵なモリス。そんなイメージを踏襲したフォークナーの「スター・フラワー」のお皿も、単色だけど繊細な図柄に存在感があります。
 その一方で、たとえばドレッサーのデザインになるレードル(おたま)なんかはシンプルそのものなんだけど、すくう部分と柄の接続部分の角度のつけ方が絶妙。欲しくなりましたねー(笑)
 同じ意味で、ウェッブのシャンペングラス。くびれた器の部分と、ねじったような脚の部分の、ほんのひとひねりが効いたデザインが素敵。あとこれはイギリスじゃないけど、モーザーのワイングラスも面白かったです。まるでビルの窓のような格子模様。
 やきもの系では、陶器にラスター絵付けを施したテイラーの壺は、ガレを彷彿させました。その隣にあったテイラーの壺も、「火炎釉」での彩色がとても鮮やか。鮑の貝殻を杯に使うアンナ・トラケアの発想には目から鱗だし、パウエルのカリグラフィの青と金箔の色のコントラストや、植物と文字を描く線の美しさといったらなかったです。

 イギリス以外のヨーロッパ作品ではウィーン分離派。近代のグラフィックデザインらしくなってきた感じでしょうか、13回・14回分離派展ポスターが特に。あとはホフマンの、幾何学的なデザインのテーブルクロスや蓋物。無駄のないデザインで、個人的にはとても好みです。同じ意味でベーレンスのプレートの、半円を組み合わせたようなシンプルな絵付けもツボでした。

 日本の民芸としては、河井寛次郎に代表されるやきものや三国荘の調度品をはじめ、北はアイヌ民族衣装から南は紅型小袖までいろいろ。
 しかしやっぱり芹沢介の作品は素晴らしいです。紅型の繊細な線と鮮やかな配色、愛敬のある図柄、「沖縄絵図六曲屏風」に「東北窯めぐり六曲屏風」、惚れ直しました。
 同じ意味で棟方志功もですが。多分「二菩薩釈迦十大弟子」を見るのは初めてではないと思いますが、何度見ても筆舌に尽くし難い勢いと、極限まで削ぎ落とされた線に目を見張ります。「志功 mumakata」てサインも、スタイリッシュでさえあるような。もっとたくさん見たい。日本民藝館の次の企画展が棟方志功なので、絶対に行かねば! と心に決めて終了した本日の鑑賞でありました。

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