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或る大阪近鉄バファローズファンの
偏愛と放浪の記録

「眠れなくなる宇宙のはなし」(著:佐藤 勝彦)

2011-06-04 23:44:18 | 【書物】1点集中型
 ずいぶん前に図書館で予約して、しかし所蔵が2冊だかしかなかったので何ヶ月か待った本。イラストレーションかなり好みである(笑)。
 内容としては、「古代インドの宇宙観から、宇宙を巡る宗教裁判、相対性理論、最新・ブレーン宇宙論まで」と帯にある通りで(そりゃ当たり前なんだけど)、人間がどのようにして宇宙の謎に向かおうとして、何が明らかになり、そして今何を探し出そうとしているのかが書かれてある。

 最後の「無境界仮説」「ブレーン宇宙論」あたりを除くと、8割~9割方は「宇宙創成」で読んだ話や理論。本の趣旨として両者はかなり近いと思うので、書いてあることの流れも近い。なので、ちょっとした復習をしてる気分になりながら読んでいた。
 言ってみれば、「宇宙創成」をさらに誰にでもわかりやすくてなじみやすい表現にした、本当に初級の入門書として楽しめると思う。この本を先に読んでから、「宇宙創成」でさらに知識を肉付けしていくのもいいかもと思った。実際、もう1回「宇宙創成」読み直してみようかなーと思ったし。もちろんそれだけじゃなくて、そこにはなかった「ブレーン宇宙論」を初めて目にして、今も少しずつ進んでいる宇宙モデルの研究動向に興味が湧いてきた。「超ひも理論」ってこういう風に進んでるんだなぁ。でもこの先、もしかしたらブレーン宇宙論も含めてそれをひっくり返す発見も現れるのかもしれない。

 それにしても、宇宙物理学と一口に言っても、宇宙の姿を解明する学問を紐解くにはやはり人類の歴史や文化も含めたあらゆる背景を学ぶことが重要なんだなぁと、改めて感じた読後でした。著者の佐藤氏はホーキングの本も訳されているそうだし、そろそろホーキングも読んでおかねばと思う今日このごろ。